国費外国人留学生制度

国費外国人留学生制度

国費外国人留学生制度（こくひがいこくじんりゅうがくせいせいど）とは、日本政府が外国人留学生に対して学費や生活費などを支給する奨学金制度である。1954年に始まり、日本と世界各国の教育水準向上、相互理解の促進、および国際協力の推進に寄与することを目的としている。

この制度の根幹は、日本での勉学に必要な費用を日本政府が奨学金として給付することにある。具体的には、授業料や滞在に必要な生活費に加え、日本への渡航費用および帰国費用が支給される。制度の運営は文部科学省が担当し、留学生の募集や選考にあたっては、世界各地にある日本の在外公館が重要な役割を担っている。

制度創設以来、これまでに約160の国や地域から多くの学生や研究者が日本に留学した実績がある。令和2年（2020年）5月1日時点のデータでは、国費留学生の数は8,761人であった。これは同時期の全外国人留学生数279,597人のうち、約3.1パーセントを占める割合である。

国費外国人留学生として日本で学ぶためのプログラムは、多様な目的や研究段階に応じた7種類が設けられている。各プログラムを通じて、国費外国人留学生には給与が支給される。主なプログラムは以下の通りである。

研究留学生: 日本の大学院などで研究に従事する者。
教員研修留学生: 外国の現職教員が日本の大学で研修を受ける者。
学部留学生: 外国の高等学校卒業生などが日本の大学学部で学ぶ者。
日本語・日本文化研修留学生: 外国の大学等で日本語・日本文化を専攻する学生が日本の大学で研修を受ける者。
高等専門学校留学生: 外国の高等学校卒業生などが日本の高等専門学校で学ぶ者。
専修学校留学生: 外国の高等学校卒業生などが日本の専修学校で学ぶ者。
* ヤング・リーダーズ・プログラム (YLP) 留学生: アジア等の若手リーダー候補を対象に、日本の大学院で政策研究などを行うプログラム。このプログラムの留学生には、平成28年度時点で全国一律月額242,000円の給与が支給された。

これらの多様なプログラムを通じて、日本は世界各国からの優秀な人材を受け入れ、教育研究活動を活性化させるとともに、日本と諸外国との友好関係の深化や国際的な相互理解の促進に貢献している。

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