在外公館

在外公館の概要

在外公館（ざいがいこうかん）は、他国との外交関係を築き、日本国民の保護やビザの発給を行うために日本が各国に設置した施設を指します。この公館は国際的には外交使節団の一部として認識されています。ウィーン条約に基づき、大使館の敷地は派遣国の管轄に置かれ、受入国がその管轄権を行使することは原則としてできません。このため、現地での外交活動がスムーズに行えるよう、特別な権利や免対義務が付与されています。

日本の在外公館

日本の在外公館は外務省に所属し、世界中に広がっています。具体的には大使館、総領事館、政府代表部、日本政府在外事務所などがあり、出先機関として領事事務所と兼勤駐在官事務所も存在します。2019年1月時点で、日本国内外には226ヶ所の在外公館があり、その内訳は151の大使館、65の総領事館、10の政府代表部です。特にアメリカには15の公館が設置されており、領事事務所も3か所存在しています。

内部組織

在外公館は、業務に応じてさまざまな班に分かれています。総務班、政務班、経済班、広報文化班、領事班、会計班、通信班などがあり、各班に公使から一等書記官までの職務者が配置されています。一部の公館では「班」ではなく「部」として、より大規模な運営が行われることもあります。

主な事件

在外公館は、外交活動において緊急事態や事件に直面することもあります。以下にいくつかの著名な事件を挙げます。

• - 尼港事件：赤軍による襲撃で数百人の居留民が虐殺され、領事館も焼失しました。
• - 在ペルー日本大使公邸占拠事件：日本公使館での天皇誕生日パーティー中に武装組織に占拠され、解決までに4ヶ月を要しました。
• - 琿春事件：馬賊による日本総領事館の焼き討ち事件で、多くの人が犠牲になりました。
• - 瀋陽総領事館北朝鮮人亡命者駆け込み事件：脱北者が領事館に駆け込むも、中国の警察に捕まる事件が報じられました。
• - 壬午事変、甲申事変など、朝鮮半島での反乱軍による襲撃も記録されています。

在外公館の役割

在外公館は日本の対外的な顔とも言える存在であり、一般市民や企業の要望に応える重要な役割を担っています。公館は外交使節団の主な機能を果たす場所であり、外国に居住する日本人やその家族に必要な支援を提供します。また、ビザの発給はもちろん、危機管理などの面でも重要な拠点となっています。

在外公館は国際関係の変化に敏感に対応しつつ、日本の外交政策を前進させる役割を果たしています。

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