国道372号

国道372号：京都府亀岡市から兵庫県姫路市に至る生命線

国道372号は、京都府亀岡市を起点に兵庫県姫路市に至る、全長約99.4kmの一般[[国道]]です。京都と姫路を直線的に結ぶわけではなく、国道9号と重複する区間もあるため、阪神圏の大都市部を通過することなく、東海道と山陽道の往来を可能にしています。

阪神・淡路大震災と国道372号の役割

1995年の阪神・淡路大震災では、国道2号や阪神[[高速道路]]など、主要な東西交通網が寸断されました。その状況下、国道372号は中国自動車道とともに、東西の代替交通路として重要な役割を担いました。特に、大阪・京都から山陽地方への主要な迂回路として機能し、多くの車両が通行しました。篠山町と姫路市での交通量は、震災前と比べて約6割増加したと記録されています。

しかし、当時、国道372号には未改良区間が多く残っていました。例えば、亀岡市から丹波篠山市にかけては、天引峠という急峻な山道が難所でした。天引トンネルが開通するのは後のことです。

防災面での重要性

現在、国道372号は防災面でも重要な位置付けにあります。京都府では第一次緊急輸送道路、兵庫県では地域防災計画および緊急輸送道路ネットワーク計画の路線に指定されています。災害時の迅速な交通確保において、重要な役割が期待されています。

路線データ

起点: 亀岡市（加塚交差点：国道9号・国道423号交点）
終点: 姫路市（下寺町交差点：国道2号交点）
重要な経過地: 京都府船井郡園部町、兵庫県多紀郡篠山町、同郡丹南町、同県加東郡社町、加西市
総延長: 99.4 km (京都府 21.0 km、兵庫県 78.4 km)
実延長: 97.9 km (京都府 21.0 km、兵庫県 76.9 km)

歴史

国道372号は1974年11月12日に指定されました。それ以前は、主要地方道三田園部線、主要地方道5号姫路社丹南線、一般府道118号亀岡天引線などとして存在していました。これらの府県道路は、1977年3月までに廃止されています。

路線状況と整備

阪神・淡路大震災以降、国道372号の重要性が再認識され、バイパス建設や道路拡幅工事が盛んに行われています。幅員狭小箇所や線形不良箇所の解消、離合困難箇所の改善など、安全で円滑な交通確保に向けた取り組みが継続されています。

一部区間では大型車の割合が2割に達しており、高速道路を避ける車両の流入も影響していると考えられています。

主要バイパス

国道372号沿いには、多くのバイパス道路が整備されています。主なバイパスを以下に示します。

湯の花拡幅・亀岡園部バイパス: 亀岡市内、線形不良箇所の解消
南八田道路・天引道路: 南丹市園部町～丹波篠山市西野々、天引峠のバイパス化
日置バイパス: 丹波篠山市辻～八上上、旧道が狭隘だったため整備
丹南バイパス: 丹波篠山市栗栖野～不来坂、現在も事業中
社バイパス・野村河高バイパス: 加東市、市街地を通過する旧道のバイパス化
* 小原豊国バイパス・花田バイパス: 姫路市飾東町～花田町、拡幅とバイパス化

これらのバイパス整備により、交通の円滑化、安全性の向上に大きく貢献しています。

その他

国道372号は、地域によっては「さんななに」という愛称で呼ばれています。また、「西京街道」や「篠山街道」、「デカンショ街道」といった歴史的な名称や愛称も存在します。

国道372号は、地域住民の生活道路であると同時に、災害時の重要な交通路としての役割も担っています。今後も継続的な整備・維持管理が必要とされています。

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