国道488号

国道488号：中国山地を貫く険しい道

国道488号は、島根県益田市から広島県廿日市市に至る一般国道です。日本海側の島根県と瀬戸内海側の広島県を、中国山地を横断するルートで結ぶ重要な道路ですが、その道のりは決して平坦ではありません。一部区間は狭く、安全施設も不足していることから、「酷道」として知られています。

ルート概要と歴史

起点となる島根県益田市では国道9号と187号と交差し、終点の広島県廿日市市では国道2号と433号と接続します。広島県廿日市市付近では中国自動車道の吉和インターチェンジ付近を通過し、国道186号と交差します。全長111.6kmにおよぶこの路線は、島根県、広島県、広島市にまたがり、そのうち約28kmは重複区間です。

1993年（平成5年）4月1日、島根県道・広島県道4号益田廿日市線、広島県道42号大竹湯来線、広島県道41号五日市筒賀線の一部区間が国道に昇格して国道488号となりました。それ以前は、複数の県道が複雑に交差する状態でした。

厳しい自然環境と道路状況

国道488号の最大の特徴は、その険しさです。特に島根県益田市匹見から広島県廿日市市吉和までの約25km区間は、未改良区間が多く残されています。離合困難な箇所も多く、落石や倒木の危険も伴います。路面状況も悪く、凹凸が多いのも特徴です。

この区間の一部、益田市匹見町匹見山根上（小郷橋）から益田市匹見町匹見（セイコ橋）までの7kmは、落石の危険性が高いことから、2011年（平成23年）4月28日以降、通年通行止めとなっています。

さらに、島根県と広島県境にある三坂峠は標高960mと、中国地方の国道の中では最高地点となります。そのため、霧が発生しやすく、冬季閉鎖も実施されています。冬季閉鎖期間以外でも、積雪や凍結に注意が必要です。

広島県側では、三坂八郎林道から国道186号との交点までの区間は、林業関係車両の通行も多く、狭隘なため注意が必要です。吉和地区では国道186号と重複しますが、再び単独区間となり、広島市佐伯区湯来町多田までの区間も、狭く通行が困難な場所があります。湯来町多田付近には、東山バイパスなどのバイパス道路も整備されています。

地理と周辺環境

国道488号は、島根県の景勝地である匹見峡を通ります。匹見峡は、匹見川によって浸食された峡谷で、冬には積雪が多く、道路が閉鎖されることもあります。

沿線には、匹見峡以外にも、多くの観光地や名所があります。また、三坂峠や七曲峠などの峠道も存在します。

まとめ

国道488号は、自然の美しさと険しさを併せ持つ道路です。通行を計画する際には、道路状況や天候を十分に確認し、安全に配慮することが大切です。特に、冬季や悪天候時の通行は、危険が伴うため、十分な注意が必要です。また、事前に通行規制情報を確認することも重要です。

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