匹見町

匹見町（ひきみちょう）

匹見町は、かつて島根県の南西部に位置し、広島県、山口県と境を接していた町です。美濃郡に属していました。
2004年11月1日に益田市に合併し、匹見町としての歴史を閉じました。

地理的特徴

旧匹見町域は、豪雪地帯対策特別措置法に基づく豪雪地帯としては日本最西端に位置していました。豪雪地帯でありながら、過疎化が進行し、「過疎発祥の地」として知られています。

歴史

1960年までは7000人以上の人口を擁していましたが、1963年の三八豪雪によって町が約1か月間孤立する事態となりました。積雪は4mにも達し、合掌造りの家屋すら倒壊するほどでした。根雪は7月中旬まで残るほどでした。さらに、その翌年からは集中豪雨に見舞われ、5年間で人口が2000人減少するという急激な過疎化に見舞われました。

このような状況を受け、島根県の施策により、匹見町の集落再編計画が進められ、広見と虫ヶ谷の小虫・小平の3集落を町の中心街にある県営住宅に移転させるという挙家離村が行われました。

当時の町長であった大谷武嘉は、国会やマスメディアに陳情を行い、過疎対策法（現在の過疎地域自立促進特別措置法）の成立に尽力しました。この功績から、大谷は「過疎町長」と呼ばれるようになりました。

年表

1955年（昭和30年）2月1日 - 道川村・匹見上村・匹見下村が合併し、匹見村が発足。
1956年（昭和31年）4月1日 - 匹見村が町制を施行し、匹見町となる。
1963年（昭和38年）1月 - 三八豪雪。
2004年（平成16年）11月1日 - 益田市に編入され、匹見町は廃止。

産業

「東の静岡、西の匹見」と称された匹見ワサビが特産品でした。昭和初期には年間300トンを出荷していましたが、現在では年間50トン程度に減少しています。
その他、林業や木工も行われていました。

交通

鉄道

旧町内を走る鉄道はありませんでした。鉄道を利用する場合、最寄り駅はJR西日本山口線の石見横田駅です。

道路

高速道路
旧町内を走る高速道路はありませんでした。
国道
国道191号
国道488号
県道
主要地方道
島根県道42号吉賀匹見線
島根県道54号益田澄川線
一般県道
島根県道172号美都匹見線
島根県道189号匹見左鐙線
島根県道307号波佐匹見線
島根県道314号美都澄川線

地理

河川
匹見川
山岳
恐羅漢山
安蔵寺山
広見山
赤谷山
大神ヶ岳
燕岳
高鉢山
岩倉山

名所・旧跡・観光スポット

匹見峡温泉

教育

高等学校
島根県立益田産業高等学校匹見分校（1988年閉校）
中学校
匹見町立匹見中学校
小学校
匹見町立匹見小学校

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