国鉄カ1形貨車

国鉄カ1形貨車とは

国鉄カ1形貨車は、かつて日本国有鉄道（国鉄）およびその前身である鉄道省にて使用されていた、10トン積みの家畜専用貨車です。この形式は、1928年に実施された車両称号規程の改正によって、さまざまな型式の車両が「カ1形」として一本化され、形式名を変更されました。

歴史的背景

1928年5月の改正では、カ519形からカ668形までの16種類の型式がカ1形に統一されました。その後、1934年8月1日には簸上鉄道が国有化され、当時在籍していた4両（カ401からカ404）は、国鉄カ240形からカ243形に編入されました。また、1937年10月1日には北九州鉄道も国有化され、こちらに在籍していた1両（カ550）はカ244として編入され、最終的には245両のカ1形貨車が運行されることとなりました。ただし、10両は欠損していました。

このカ1形貨車の主要な車両の多くは、1906年に国有化された以前の車両を基にしています。従来は高価な冷蔵車があまり利用されていなかったため、生きた家畜を輸送することが一般的でした。しかし、カ1形にまとめられたとはいえ、外観や形態が多様であったため、識別が難しいという問題もありました。

車両の特徴

カ1形貨車は、全長7012ミリメートル、全幅2406ミリメートル、全高3200ミリメートルのサイズを持ち、実容積は24.5立方メートルです。自重は5.7トンから6.9トンの範囲でした。車体の塗色は黒一色で、外観はシンプルでしたが、実用性に優れた設計がなされていました。

1952年には「老朽貨車の形式廃車」という対象形式に指定され、同年6月26日に告示されました。当時の在籍車両数は88両でしたが、戦後には未捕捉の車両がいくつか残っていたため、昭和34年度に調査が行われ、最終的には在籍していないことが確認され、形式としては消滅することとなりました。

最後に

国鉄カ1形貨車は、日本の鉄道史において重要な役割を果たした貨車の一つです。家畜輸送のために特別に設計され、長い歴史を持つこの形式の貨車は、時代の変遷と共に姿を消すことになりますが、その存在は今も多くの鉄道ファンや歴史愛好者から語り継がれています。今後も日本の鉄道の歴史に名を刻む存在として、その記憶が忘れられることはないでしょう。

もう一度検索