国鉄キハ07形気動車

国鉄キハ07形気動車の詳細

国鉄キハ07形気動車は、日本国有鉄道（国鉄）が1951年に行った再生改造プロジェクトの一環として登場した一般的なディーゼル動車です。この車両の旧称はキハ42500形（2代目）であり、1957年の形式名変更によってキハ07形に改称されました。基本的には、1930年代に設計されたキハ42000形を基にしたもので、当時最大級の気動車でした。

概要

この車両の原型となるキハ42000形は、昭和初期に鉄道省が開発したガソリン動車を基にしています。これに対し、追加の機関出力を強化した結果、国鉄キハ07形が誕生しました。戦後の増産や技術改良を経て、キハ07形は日本各地で活躍し、特に都市近郊の輸送に寄与しました。

構造

国鉄キハ07形気動車の全長は約19メートルで、自重は約27トン、収容人数は125名という規模を誇ります。このサイズは、当時の量産型気動車としては最大と言われています。また、機関にはGMH17型のガソリンエンジンが搭載されており、これは日本でのガソリン動車用の中では最大出力を持つものでした。

車体デザイン

流線型の前頭部デザインは、当時の流行を反映しており、空気抵抗の低減に寄与しました。この結果、キハ42000形は1936年の風洞実験で平妻形のデザインと比較しても、より優れた性能を示すことができました。車内の座席配置はクロスシートとロングシートが組み合わさったもので、旅行者の快適性を考慮しています。

機関と動力伝達装置

使用されているエンジンは、GMH17型のディーゼルエンジンで、連続的な出力を持ち、最高出力は200PSにも達します。この動力は当初の機械式変速機を介して車両に伝達されますが、運行中は一両ずつ操作する必要があり、運転士が連結した車両間で合図を送って協調運転を行なっていました。

台車とブレーキ

台車については、TR29型と呼ばれるもので、設計にあたっては軽量かつ高性能を目指しました。この台車は加速性能と安定性を両立させることを目的として構築されており、ブレーキシステムも強化されていました。

形式別解説

1935年から1937年にかけて製造されたキハ42000形気動車の62両は、後にキハ07形へと発展しました。戦後も機関がディーゼルに改造され、ドアのプレス加工などに変更が加えられた車両があるなど、技術の進化を示しています。1952年からは追加で20両が製造され、これらは現代の気動車の基礎を築く役割を果たしました。

終焉と保存

国鉄キハ07形は1960年代に入り、サービス年数が経過するにつれ徐々に廃車にされていきましたが、いくつかの車両は地方私鉄に譲渡され、長きに渡って運用が続けられました。特にキハ07 41は、その特徴的なデザインによって重要文化財に指定され、観光施設での動態保存が進められています。

おわりに

国鉄キハ07形気動車は、日本の鉄道史において欠かせない存在でした。この車両の活躍を通じて、日本鉄道のディーゼル化や近代化へとつながる一歩を踏み出すことができたことは、鉄道の発展に大いに寄与したと言えるでしょう。

もう一度検索