国鉄キハ44100形気動車

キハ44100形について

概要

キハ44100形は、1953年に日本国有鉄道（国鉄）によって導入された電気式気動車です。この車両は、先に登場したキハ44000形をもとに改良され、九州地域での中距離列車運行を想定した設計が施されています。具体的には、キハ44100形が先頭車両、キハ44200形が中間車両として構成され、合計15両が製造されました。

開発の背景

この車両は、房総地域に初めて導入されたキハ44000形を基にしており、総括制御に対応するためのデザイン変更が行われました。1953年3月に登場し、5月1日からは鹿児島本線の門司港と久留米間で営業運転を開始しました。これは、液体変速機を用いた試作車との比較検討により、最終的には液体式が選ばれる過程を経てのことです。

車体の特徴

キハ44100形は、キハ44000形の後継車両として車体設計が踏襲されています。前面は湘南スタイルの非貫通2枚窓が特徴であり、側面には中距離輸送を考慮した片側2扉の配置がされています。特筆すべきは、気動車として初の自動ドアを搭載している点です。座席定員は120名で、トイレを備えた中間車のキハ44200形は124名の定員を有しています。

機器及び性能

キハ44100形には、主にDMH17Aエンジンが搭載されています。主発電機はDM42、主電動機はMT45で、直角カルダン駆動方式が採用されています。自動空気ブレーキを装備し、先頭車両にはDA1ブレーキが、中間車両にはDA2ブレーキが搭載されています。燃料タンクは400リットルの容量を持っています。

液体式への改造

1956年には、キハ44100形を郵便荷物車に改造する際に、同時に液体式への変更が行われました。この改造により、キハ44200形も液体式に改造され、竹下気動車区で運用され続けました。改造後のキハ44100形は、キハユニ44100形として、郵便荷物車として新たな役割を果たしました。

運用と歴史

キハ44100形とキハ44200形は、1953年に製造された後、九州地区で主に運用されました。当初は電気式気動車としての利点を生かし、早い所要時間を誇っていました。運用区間は門司港から博多、さらには久留米まで広がり、効率的な輸送を実現しました。しかし、徐々に液体式、特にキハ17系の導入により、運用の場面は変化していきました。

このようにして、キハ44100形は国鉄の進化の一端を担い、後の気動車の発展に大きな影響を与えた車両でありました。

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