国鉄キハ66系気動車

国鉄キハ66系気動車の概要

国鉄キハ66系気動車は、日本国有鉄道（国鉄）が1974年に設計・製造を開始した車両です。1987年の国鉄分割民営化の際には、すべての車両が九州旅客鉄道（JR九州）に引き継がれました。この車両は、山陽新幹線の博多開業に合わせて筑豊・北九州地区での新幹線接続および輸送の向上を目指して開発され、新潟鐵工所と富士重工業が製造を担当しました。

開発の背景

キハ66系は、従来の急行形気動車であるキハ58系を超える接客施設と動力性能を持ち、実際には1980年まで急行列車としても利用されていました。鉄道趣味誌などでは「汎用気動車」と呼ばれましたが、このスタイルの車両はその後登場しなかったため、その名称は定着しませんでした。国鉄の厳しい財政状況や車両の重さから、追加製造や他線区への展開は行われず、合計30両が1975年までに製造されました。しかし、この設計は長年の硬直に対する新たな取り組みとして評価され、1976年には鉄道友の会のローレル賞を受賞しました。

車両の詳細

この車両は、全長21.3 m（車体長20.8 m）、車幅2.9 mという大きさで、キハ66形とキハ67形の2両が1ユニットを形成します。正面は貫通形で、2灯式の前照灯が上部に設置されています。これはキハ58系後期形やキハ65形に似た設計ですが、踏切事故の対策として運転台が高くなっています。側面は中央寄りに両開きの自動扉を設け、窓は2段式の外ハメユニット窓として配置されています。国家の鉄道では初めて電動式の行先表示器も取り入れられました。

塗装は当初、朱色とクリームの組み合わせでしたが、1978年には赤とクリームの塗装に改められました。車内はロングシートと転換クロスシートが採用されており、冷房は一般的な分散式ではなく、集中式の冷房装置が搭載されています。また、暖房は電気式で、古いタイプの気動車で使われていた方式ではなく、新しい技術が導入されています。

機関や性能

機関には、国鉄の他の気動車でも使われていた高出力エンジンを改良したものが搭載されていますが、その複雑さからトラブルが多発しました。そのため、冷却系やエンジンの設計が何度も改良され、運用中に多くの問題が解決されました。変速機も自動式から手動の摩擦クラッチ仕様に変更されるなど、技術革新が行われています。

運用歴

当初は直方気動車区に配属され、筑豊本線や篠栗線で主に運用されていました。使用期間中には、運賃収受方式を変更するなどの改造も行われ、2000年には特別塗装が施された編成が出現しました。その後、2001年には長崎地区に転属し、塗装やATSの変更などが施され、様々な臨時列車やイベント列車でも利用されました。最終的には2021年に運用を終了し、その後廃車される運命にありました。

このように、国鉄キハ66系気動車は、登場以来多くの機能改良やデザイン向上を経験しながら、長い間日本の鉄道に貢献してきました。

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