国鉄キ700形貨車

国鉄キ700形貨車について

国鉄キ700形貨車（こくてつキ700がたかしゃ）は、1926年にアメリカから輸入された事業用貨車で、主に鉄道駅や操車場の除雪作業に使用されました。最初はキ400形の名称で呼ばれ、国産化が進むにつれて形状や機能が改良されてきました。

概要

キ700形貨車は、当初2両がジョルダン社から輸入され、これを基に日本の鉄道省は国産モデルの製造に着手しました。1928年には形式名がキ400形（初代）に改められ、1941年にはキ700形に名称変更されました。合計では、15両のユキ400形（キ400 - キ414）と、改称後の9両（キ715 - キ723）が製造されています。

輸入された最初の2両には、シンプルな構造が特徴で、前方には前鋤、中央には雪かき翼が装備されていました。しかし、国産化された車両では、操作を行うための木製の乗務員室が設置され、この改造は輸入車にも及んでいます。

戦後に製造された車両では、木造の乗務員室が鋼製に変更され、さらに昭和30年代には木造車両も鋼体化されました。初期の車両は単純な構造でしたが、後の型式では除雪能力が向上し、開閉式の延鋤や補助翼も追加されました。最大の除雪幅は5.5メートルを誇りますが、前頭が直立しているため除雪速度は若干遅いという特性も持っています。

この貨車の全長は11,350mm、自重は35.3トンで、台車はTR20が使用されていましたが、戦後の車両ではTR41が採用されるようになりました。塗装は黒色で、1968年のダイヤ改正に伴い、貨車としての速度制限も示されるようになりました。

近代化と運用の変遷

1979年から1983年には8両が苗穂工場で近代化改修を受け、台車の交換や翼の駆動方法が油圧式に変更されるなど大幅な改造が行われました。これにより、改造された車両はキ750 - キ757の番台に改番され、本線での使用も可能となりました。

この貨車は主に北海道地区や奥羽本線、新潟地区で活用されていましたが、除雪用のモーターカーや他のタイプの貨車が増えるにつれて役割が縮小しました。1987年の国鉄分割民営化時には4両が北海道旅客鉄道に譲渡されましたが、1993年に最後の2両が廃車となり、キ700形は形式消滅を迎えました。

保存車と文献

一部のキ700形貨車は保存され、鉄道愛好者や一般市民にその歴史を伝えています。詳細については、各種文献や資料が存在します。特に岡田直昭と谷雅夫の『新版 国鉄客車・貨車ガイドブック』や、イカロス出版の『J-train』などが参考になります。これらの資料は、国鉄の車両に関する貴重な情報源となっているのです。

まとめ

国鉄キ700形貨車は、雪かきに特化した貴重な事業用貨車であり、時代の変遷に応じて姿を変えながらも、鉄道の運営に寄与してきました。その形状や運用の変遷は、鉄道ファンにとっても興味深いテーマとなっています。

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