国鉄サハ19形電車

サハ19形についての詳細

サハ19形は、日本国有鉄道（国鉄）およびその前身となる鉄道省が運用していた直流電車の一種で、特に三等付随車に分類されます。この形式は1928年（昭和3年）10月1日に施行された車両称号規程改正に基づいて誕生しました。この時、車体幅2,500mmの木製ボギー付随車に対して新たに与えられた名称であり、サハ19形は特にその制御電圧が100Vであることがその特徴です。

サハ19形は、モハ1形との連結に用いられる電動車と連携するため設計されており、これと対を成すのがサハ6形で、こちらは600Vの制御電圧を採用していました。サハ6形とサハ19形の分かれ目は、この制御電圧の違いに起因しています。また、サハ6形には数両がサハ19形に改造されたものもあり、この流れの中でサハ6410形が存在しました。

1928年の改正により、サハ6形は33両（601 - 6033）、サハ19形は45両（19001 - 19045）とされ、合計78両が対象となっていました。その後、追加で13両がサハ6形からサハ19形に改造された実績があります。このことから、サハ19形は運用の中で数度の改造を経ており、それぞれの記録が残っています。

番号区分

サハ6形およびサハ19形の車両番号は、改正後の車番に基づいて整理されています。

サハ6形

• - 6001 : 旧サハ6410（オリジナル）
• - 6002, 6003 : 旧サハ6411[II], 6412
• - 6004 - 6011 : 旧サハ6413 - 6420
• - 6012 : 旧サハ6421
• - 6013 - 6016 : 旧サハ6422 - 6425
• - 6017 - 6030 : 旧サハ6436 - 6449
• - 6031 : 旧サハ26411
• - 6032 : 旧サハ26412
• - 6033 : 旧サハ26415

サハ19形

• - 19001 - 19023 : 旧サハ16410 - 16432
• - 19024 - 19041 : 旧サハ16433 - 16449, 26410
• - 19042, 19043 : 旧サハ26411, 26412
• - 19044, 19045 : 旧サハ26416, 26417
• - 19030[II] : 6001
• - 19046 - 19057 : 6002 - 6013

処分の状況

サハ6形は、1931年から1933年にかけて廃車されたり、貨車やサハ19形への改造が行なわれました。一方、サハ19形は太平洋戦争後も多くが使用され、1953年6月1日の車両称号規程改正においていくつかが別の形へ改称されています。その際、クヤ5形（5001 ← 19003）はクル9200形（9200）に、救援車として使用されていた車両はサエ9300形に改称されました。

ここで注目すべきは、領域交代や譲渡による変化です。鶴見臨港鉄道や青梅電気鉄道に譲渡された車両もあれば、戦時買収の影響で従来の名称に戻ったもののもあります。

ワ50000形・ワフ20000形

サハ19形は貨車に改造されたワ50000形とワフ20000形に生まれ変わったケースがあります。これらは、元々電車として設計されていた遺伝を持ちながら、後に小口急行貨物用の貨車として使われるようになりました。1933年には、合計24両がそれぞれに改造され、積載荷重は10t、最高速度は85km/hでしたが、戦時中には95km/hでの運用も行われました。

その後、これらの貨車も他の後続車輌の増備により運用から外れていき、一部は救援車として改造されることになりました。

参考文献

1. 沢柳健一・高砂雍郎著『決定版 旧型国電車両台帳』
2. 新出茂雄・弓削進著『国鉄電車発達史』

サハ19形は、日本の鉄道史において重要な役割を果たし、革新を続けながら運用されてきた電車の一例です。その背景には、技術進化や戦争、時代の変遷が大きく影響しています。

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