国鉄シキ1形貨車 (初代)

国鉄シキ1形貨車の概要

国鉄シキ1形貨車は、日本の鉄道史において特異な存在となる貨車です。この貨車は、1913年に鉄道院新橋工場で製造された平床式の大物車で、当初は28トンの積載能力を持っていました。シキ1形は、国有铁路体系の前身である鉄道院・鉄道省に所属していました。

製造と変遷

シキ1形貨車は、初めて製造された際には、明治44年の称号規程に基づいて無蓋車材木車兼用の形式名が与えられ、オトチ6490形として4両（オトチ6490 - オトチ6493）が製造されました。その後、1915年にはこの形式が重量品運搬車のオシウ35形に改称され、オシウ35 - オシウ38となりました。さらに、1928年に称号規定改正が行われ、シキ1 - シキ4という新たな名称で呼ばれるようになりました。

興味深いことに、シキ1という形式は後にフレキシバン輸送用として再利用されますが、それは全く異なる車両であり、混同しないように注意が必要です。

技術的特徴

国鉄シキ1形貨車は、全長6,001 mm（車体長5,442 mm）という比較的短い寸法を持ちながらも、ボギー車として設計されていました。このため、重量物である橋桁などを効率的に輸送することが可能で、2両のシキ1形貨車の間に設備を設けることで、特に重量物の安定した運搬を実現していました。

特徴的なのは、曲線走行時の位置変化を吸収するために車体中央に回転枕木を装備していた点です。この枕木は曲線での走行時に貨物が傾くのを防ぐ役割を果たしていました。単独で使用する場合は回転枕木を取り外し、貨物を固定することで、さまざまな運搬に適応することができました。

廃車とその影響

残念ながら、1932年にシキ1形貨車は全て廃車となってしまいました。これにより、鉄道での重量物輸送技術に一時的な空白が生じることとなりましたが、その後の貨車開発には影響を与え、より効率的な運搬手段が導入される基礎が築かれました。

参考文献

• - 吉岡心平の『大物車のすべて 下』（初版）
• - 貨車技術発達史編纂委員会の『日本の貨車 -技術発達史-』（初版）

特定の年代における日本の鉄道技術の進化を理解するためには、国鉄シキ1形貨車の存在は欠かせない要素であると言えるでしょう。

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