国鉄シキ15形貨車

国鉄シキ15形貨車について

国鉄シキ15形貨車（こくてつシキ15がたかしゃ）は、日本国有鉄道で使われていた貨車の一種で、1953年に日立製作所で製造されました。この貨車は、特に大物の輸送に用いられる35トン積みの低床式車両として設計されました。国鉄の車籍を持つ唯一の車両で、全体で1両のみの製造です。

車両の基本仕様

シキ15形貨車の全長は18,600mmで、車体長は17,800mmです。また、低床部分の長さは7,000mmであり、地面からレールの高さは690mmという設計でした。この低床デザインは、大物を効率良く積載するためのものでしたが、低床部とレール面のクリアランスが非常に小さかったため、操車場のハンプを通過することが、車両が積載されているか空車であるかに関わらず禁止されていました。

車両の台車は、ボールドウィンタイプの釣合梁式3軸ボギー台車が2基装備されています。この台車の特徴は、優れた安定性と荷重分配にあります。これにより、重い貨物を運ぶ際の走行性能が向上しています。

使用目的と運用

シキ15形貨車は、主に変圧器などの大型貨物を運搬するために使用されていました。常備駅は日立駅であり、この地域の発送業務において重要な役割を果たしていました。貨物輸送に特化したこの車両は、同じ目的の他の貨車と比較しても、特にその低床設計が大きな利点を持っていました。

検査とメンテナンス

シキ15形貨車は、国鉄の基本的な構造とは異なっていたため、一般検査や局部検査、さらには甲修繕と乙修繕は、国鉄の職員が立ち会う形で日立製作所の工場で実施されていました。このような手続きにより、真剣に車両の安全性と性能が保たれていたのです。

車両の塗色と廃車

この貨車は、基本的に黒色の塗装が施されていました。また、1968年のダイヤ改正前の1965年に廃車となったため、黄1号の帯を巻くことはありませんでした。実際にこの貨車が使われていた時期は短く、鉄道の歴史の中では希少な存在となっています。

参考文献

• - 吉岡心平『大物車のすべて 上』（初版）ネコ・パブリッシング 〈RM LIBRARY 91〉、2007年3月1日。
• - 貨車技術発達史編纂委員会 編『日本の貨車 -技術発達史-』（初版）日本鉄道車輌工業会、2009年4月30日。

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