国鉄シキ610形貨車

国鉄シキ610形貨車について

国鉄シキ610形貨車は、日本国有鉄道によって1962年から1976年にかけて製造された、大型の貨物車両です。具体的には、変圧器の輸送を目的とした特化型の貨車であり、合計で5両が製造されました。この貨車は、主に日本車輌製造支店で作られ、吊り掛け式の積載方法を採用しています。

製造の背景と概要

シキ610形は、特に最大235トンまたは240トンの変圧器を運搬するために設計されています。初めて製造されたのは1962年6月20日で、最後の1両は1976年4月12日に完成しました。この車両は、元々日本国有鉄道の所有で運用されていましたが、1987年の国鉄分割民営化に伴い、シキ612を除く4両はJR貨物に引き継がれました。

構造と特徴

シキ610形の外観は、同時期に開発されたシキ600形と非常に似通っています。このため、外見的な識別が難しいものとなっています。荷受梁はガーダー構造が採用されており、台車は釣合梁式の3軸ボギー台車NC-4A形を8台、計24軸装備しています。空気ブレーキのシステムには手動積空切り替え方式が使われ、K弁とUC形シリンダーが組み合わされています。

さらに、この貨車にはB1梁とB2梁の2種類の荷受梁があり、その形状や用途によって区別されています。具体的には、東芝、日立製作所、富士電機用の荷受梁がB1梁、三菱電機用のものがB2梁として使われていました。どちらの梁を装着しても、運転の最高速度は空車時が75 km/h、積車時が45 km/hです。

労働の歴史

シキ610形の最初の車両であるシキ610は、製造当初から新芝浦駅に常備されていました。1981年には末広町駅に移動し、1983年に東芝物流へ名義が変更され、2002年には廃車となりました。

次にシキ611は、落成時から新芝浦駅に常備され、1982年以降には末広町駅、その後小山駅に移動しましたが、2024年現在でもなお現役で運用されています。シキ612は1978年に西浜信号場へ移動し、1987年に廃車となりました。シキ613は1984年に日立駅に移動し、小山駅へと移動後、2005年に廃車されました。一方、シキ614は常に西浜信号場に常備されていましたが、2001年に廃車されています。

文献と関連情報

この貨車の詳細については、吉岡心平の著作をはじめとした幾つかの参考文献があります。具体的な情報を得たい方は、網羅的な資料を参照することをお勧めします。シキ610形は、日本国内の変圧器輸送において歴史的な役割を果たし、今でも多くの人々に研究の対象とされています。

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このように、国鉄シキ610形貨車はその用途や設計において、重要な役割を果たしてきたと言えるでしょう。今日でもその存在は、鉄道ファンや歴史研究者にとって興味深いトピックです。

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