新芝浦駅

新芝浦駅（しんしばうらえき）

神奈川県横浜市鶴見区の臨海部に広がる工業エリア、末広町二丁目に所在する駅です。東日本旅客鉄道（JR東日本）と日本貨物鉄道（JR貨物）が共同で運営する鶴見線のうち、終点・海芝浦駅へと向かう海芝浦支線上に位置しており、駅番号はJI 51が付与されています。この駅周辺は、企業の工場群が集積する地帯であり、新芝浦駅もその中に溶け込むように存在しています。

歴史

新芝浦駅の歴史は、地域の産業発展を目的に敷設された鶴見臨港鉄道によって始まりました。1932年（昭和7年）6月10日、浅野駅から当駅までの区間が開通した際に、その終着駅として開業。1940年（昭和15年）11月1日には現在の終点である海芝浦駅まで延伸されました。

戦時中の1943年（昭和18年）7月1日には、鶴見臨港鉄道が国有化され、鉄道省（後の日本国有鉄道）鶴見線の一部となります。1971年（昭和46年）3月1日には駅員の配置が無くなり、無人駅化され自動券売機が設置されました。

国鉄分割民営化に伴い、1987年（昭和62年）4月1日からはJR東日本とJR貨物の駅として運営されています。2002年（平成14年）3月22日にICカード「Suica」が利用可能となりましたが、2016年（平成28年）9月30日をもって自動券売機での乗車券販売やSuicaへのチャージ機能は終了しています。

駅名の由来

駅名は、開業当時にこの地に大きな工場を構えていた芝浦製作所（現在の東芝）の最寄り駅として開設されたことに由来します。「新」が冠されたのは、当時東京に存在した芝浦駅（貨物専用、後に廃止）との混同を避けるためでした。

駅構造

新芝浦駅は地上に設けられた、相対式ホーム2面2線の構造を持つ駅です。東側のホームからは海芝浦方面へ向かう下り列車が、西側のホームからは鶴見方面へ向かう上り列車が発着し、どちらのホームにも上屋が設けられています。

木造平屋建ての駅舎は、西側ホームの海芝浦寄りに位置します。東側ホームは運河に面しており、駅舎へは構内踏切で連絡。西側ホームからは階段で接続しています。

駅舎内には簡易式のSuica専用改札機と集札箱が置かれているのみで、現在は無人駅です。かつては売店やトイレが設置されていましたが、現在は撤去されています。

当駅から海芝浦方面は単線ですが、一見複線に見えるのは、右手に見える線路が東芝エネルギーシステムズ京浜事業所への専用線に繋がる授受線であるためです。左手が海芝浦支線の本線となります。

当駅はJRの「横浜市内」に含まれる駅です。

貨物取扱・専用線

新芝浦駅では臨時で運行される車扱貨物を取り扱いますが、定期貨物列車はありません。駅南側の東芝エネルギーシステムズ京浜事業所へ専用線が伸びており、変圧器などの大型機器輸送のため、特大貨物輸送列車が発着することがあります。

専用線に繋がる授受線で貨車が引き渡されると、東芝所有の入換用機関車が工場構内へと牽引します。

利用状況

JR東日本による乗車人員の公表は無人駅化前の2008年度までで、1日平均362人でした。これは鶴見線全線で最も少ない数字です。無人駅となった2009年度以降は、公式な乗車人員数は公表されていません。

駅周辺

駅周辺は広大な工業地帯であり、駅の南側には東芝エネルギーシステムズ京浜事業所の正門が隣接しています。

隣の海芝浦駅は原則として東芝関係者専用の通用口のみのため、京浜事業所を訪れる来訪者は、通常この新芝浦駅で下車し、正門まで歩いて向かいます。

駅前まで道路が整備されており、この道路を使って隣の浅野駅方面まで歩いて移動することも可能です。

公共交通としては、駅近くの「東芝京浜」停留所から川崎駅方面への川崎鶴見臨港バスが発着しますが、運行は平日一日にわずか1本のみです。

隣の駅

JR東日本 鶴見線（海芝浦支線）：
浅野駅 (JI 05) - 新芝浦駅 (JI 51) - 海芝浦駅 (JI 52)

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