国鉄シキ800形貨車

国鉄シキ800形貨車について

国鉄シキ800形貨車は、日本において特大の変圧器を輸送するために設計された特別な貨車です。1973年から1996年までの間に日本車輌製造により、合計3両が製造されました。最大積載量は155トンから160トンで、用途に応じて吊り掛け式や分割落し込み式の仕様があります。

製造の経緯

シキ800形の1号車にあたるシキ800は1973年に、2号車のシキ801は1974年、そして3号車のシキ810は1996年に製造されました。これらの車両は、発電所や変電所に設置される特大変圧器の輸送を目的としており、過去には重電メーカー各社が独自に保有していましたが、その利用頻度が低くなったため、共通利用が進められました。

構造と機能

シキ800形の設計には、異なる寸法や形状の荷物に対応するために工夫がされており、可動式の側梁やアタッチメントを活用しています。例えば、シキ800はB2梁やC梁を取り付けることができ、シキ801はB1梁とB2梁の組み合わせが可能です。これにより、必要に応じて貨物に合わせた柔軟な対応が可能になっています。

台車にはベッテンドルフ式の2軸ボギー台車が使われており、各車両には合計8台の台車が搭載されています。また、シキ810はCSDブレーキを装備し、従来のブレーキシステムとは異なる先進的な機能が組み込まれています。最高運転速度は空車時が75 km/h、積車時が45 km/hで、様々な条件下で輸送を行うことができます。

塗装と外観

シキ800、シキ801は大物車として一般的な黒塗装が施されていますが、シキ810はJR四国のコーポレートカラーであるスカイブルーが特色です。このように、各車両はそれぞれの運営会社や利用目的に応じたデザインがなされています。

運用状況

シキ800とシキ801は、日本通運により所有され、シキ800は当初の常備駅から移動し、特定の駅で運用されていました。しかし、シキ800は2019年11月に変圧器輸送を最後に運用を終了し、その後は京都鉄道博物館で展示されています。一方でシキ810は2006年に日本通運の名義に変更されましたが、実際には東芝物流の所有として利用され続けました。その後、部品がシキ801に移植され、現在はシキ801のみが運用中の状況です。

まとめ

シキ800形貨車は、日本の鉄道貨物輸送において特大変圧器の輸送のために設計された、特異な性能と構造を持つ重要な車両です。これらの貨車は、時代とともに改良が加えられ、今後もその重要性は変わらず続くことでしょう。

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