国鉄チキ1500形貨車

国鉄チキ1500形貨車の概要

国鉄チキ1500形貨車はかつて日本国有鉄道の運用に使われていた長物車で、1920年代から1980年代にかけて製造されました。その形式としては、前身のチキ1000形からの派生であり、他にもチキ800形やチキ2500形などが存在します。それぞれの形態や特性について触れながら、チキ1500形の発展をお話しします。

チキ1000形

チキ1000形は、1928年度から1929年度にかけて製造された35トン積の汎用長物車で、合計200両が製造されました。この車両は、従来の木製床から全鋼製に変更されたことが特徴で、強度を高めました。荷台は長さ12,800 mm、幅2,350 mm、 床面積3.1 m²で、自重は約15.7トンでした。また、ブレーキ装置はKC203形空気ブレーキと側ブレーキが採用され、最高運転速度は75 km/hでした。

第二次世界大戦中は40トン積での運用が行われ、1968年度末には185両が在籍していましたが、1971年から老朽化に伴い廃車が進み、1983年に形式が消滅しました。

年度別製造数

チキ1500形

チキ1500形は、1934年から1943年にかけて918両が製造されたチキ1000形の後継形式です。川崎車輛により生産され、日本の長物車では最も多く製造されました。このモデルでは、台車を高性能なTR24に変更し、最高速度は95 km/hに設定されました。自重は16.2トンで、積車としての換算両数も4.0と認定されました。

この形式は986年間使用され、1983年度までに全て廃車となりました。

チキ800形とチキ2500形

チキ800形は、1937年に製造された25トン積の二軸ボギー長物車であり、26両が川崎車輛で製造されています。この車両は簡易線用のレール輸送に使用され、基本形状ではチキ1000形と類似していましたが、構造は軽量化されていました。最終的には1969年度に形式消滅しています。

チキ2500形は1943年に製造された車両で、樺太庁鉄道向けのチキ1500形同等の設計となっていましたが、内地での使用に向けて改良が加えられていました。このため、車両数は34両でしたが、1977年に形式消滅しています。

改造と多様な用途

チキ1500形にはさまざまな改造車両が存在しました。たとえば、1943年から軍の指示により製造された火砲搭載車がそうです。この車両はチキ1500形を用いて、戦争中の防衛目的で改造されました。また、チキ1500形から改造されたチホニ900形は連合軍専用の輸送車として2両が製造されました。

結論

国鉄チキ1500形貨車は、長きにわたって様々な形で利用され、改造もされながら日本の鉄道輸送の重要な役割を担ってきました。製造数が多く、その後の貨車やその他の車両への影響を与えるなど、鉄道の歴史において特筆すべき存在です。

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