国鉄チキ6000形貨車

国鉄チキ6000形貨車について

国鉄チキ6000形貨車は、1977年から1981年にかけて日本国有鉄道（国鉄）によって改造製作された長物車で、元々はコキ5500形から派生した形式です。この貨車の登場は、老朽化したチキ1500形、チキ3000形、チキ4000形などの戦前・戦時製の長物車を更新する目的で行われました。

背景

1975年に新製されたチキ7000形貨車は、長物車の近代化を図る上で重要な役割を果たしましたが、当時の国鉄は財政難に直面しており、チキ7000形は年間150両の生産に留まり、本格的な置き換えには至りませんでした。一方、1971年に登場したコキ5500形は、余剰状態にありました。コキ5500形は5tコンテナを効率的に積載できなかったため、リソースとして再利用することが決定されました。その結果、チキ6000形が誕生し、422両（チキ6000 - チキ6421）が改造され、国鉄工場で製作されました。

構造

チキ6000形は、汎用的な長物車として設計されました。元となるコキ5500形からは、台車、連結器、及び側梁が流用されています。側梁は切り詰められ、新しい車体が製作されました。車両の床板は木製であり、ブレーキ装置は手ブレーキ式から側ブレーキ式に変更されています。このような改造により、運用の効率が向上し、長物車としての機能が強化されました。

運用の変遷

チキ6000形は、近代化された長物車として全国各地で利用されましたが、国鉄の末期に入ると、トラック輸送の普及により使用が減少し、約半数が余剰廃車となりました。1987年の国鉄分割民営化時には、JR各社に215両が継承されました。これらの車両は、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州、日本貨物鉄道（JR貨物）に配分され、貨物輸送だけでなく、一部はレール輸送などの事業用としても使用されています。

2017年4月時点での在籍車両は、JR北海道に6両、JR東日本に52両、JR西日本に48両、JR四国に4両、JR九州に18両ありましたが、2021年にJR北海道の全車両が廃車となり、JR東日本の車両も順次廃止されました。2022年4月1日現在では、JR西日本に38両、JR四国に4両、JR九州に16両が残っています。一方で、JR貨物に所属するチキ6000形は、陸上自衛隊の機材輸送にも利用されており、2010年4月時点では31両が在籍していました。

会社間譲渡

2011年の東日本大震災を受けて、JR西日本からJR東日本へ6両が譲渡されました。譲渡後、これらの車両は仙台車両センターに所属し、被災車両の代替として活用されています。

改造車両

チキ6000形には、特定用途に改造されたバージョンも存在します。例えば、ビレット（鋼片）輸送のため、1981年から1982年にかけて22両が改造され6900番台（元番号+900）に改番されました。また、1987年にはタンクローリーピギーバック輸送の試験改造が行われ、特定の車両が改造されました。

参考文献

• - `JR旅客会社の車両配置表 JR車両のデータバンク2012（付録）`『鉄道ファン』第615号、交友社、2012年7月。
• - `柴田東吾「JR会社間の譲渡車両」`『鉄道ファン』第651号、交友社、2015年7月。
• - `ネコ・パブリッシング『レイルマガジン』吉岡心平「国鉄貨車教室 第48回」`- No.259 2005年4月号など、さまざまな資料を基に詳細が確認されています。

関連項目

• - 国鉄の車両形式一覧
• - 国鉄チキ5500形貨車
• - 国鉄チキ5200形貨車
• - JR北海道チ50000形・チラ50000形貨車

このように、国鉄チキ6000形貨車は、貨物輸送の近代化に寄与した重要な車両の一つであり、時代と共に変遷し続けています。

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