国鉄チコ1280形貨車

国鉄チコ1280形貨車の詳細

国鉄チコ1280形貨車は、日本国有鉄道（国鉄）の前身である鉄道省にかつて所属していた10トン積みの長物車です。この形式は、1943年の樺太の内地編入に伴って、樺太庁から鉄道省に車籍が移管された際に誕生しました。当時、同時にチコ1600形やフチコ1660形といった他の形式も移管され、これらはチコ1280形と同様の経歴を持っています。

1943年の樺太移管

1943年4月1日、樺太は日本の領土として正式に内地に編入されました。この日を境に、樺太庁の鉄道部門で運行されていた貨車が鉄道省に移管され、その結果、チコ1280形の16両（チコ1280 - チコ1295）、チコ1600形の29両（チコ1600 - チコ1629）、フチコ1660形の30両（フチコ1660 - チム1689）が国鉄の車籍を取得することとなりました。

チコ1280形の特徴

チコ1280形は10トン積みの二軸車で、長物の輸送に特化した構造を持っています。同時に移管されたチコ1600形およびフチコ1660形は、ボギー車であり、こちらも10トン積みですが、より多くの荷物を運ぶことが可能です。これにより、樺太における貨物輸送は効率的に行われていました。

名称の変更

1944年にはチコ1280形はチ1280形に改名されましたが、その後の戦局の悪化により、これに続く形式名の変更は行われませんでした。チコ1600形やフチコ1660形は、樺太庁時代の名称と番号をそのまま使用していたと推察されます。

戦局の影響

しかし、第二次世界大戦の激化により、樺太は多くの兵力や物資を失うことになりました。そして1945年には、これらの貨車は放棄される運命にあります。その後、車両は除籍され、形式名も消滅することとなりました。これにより、チコ1280形やその関連形式は跡形もなく消えてしまったのです。

脚注と参考文献

本貨車に関する詳細情報は、貨車技術発達史編纂委員会による『日本の貨車-技術発達史-』や、吉岡心平著の『3軸貨車の誕生と終焉（戦後編）』を参考にしています。

関連項目

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