国鉄チサ800形貨車

国鉄チサ800形貨車の概要

国鉄チサ800形貨車は、かつて日本国有鉄道（国鉄）で運用されていた22トン積みの長物貨車です。この貨車は、国鉄の前身である鉄道省に所属し、特に材木の輸送などに活用されました。チサ800形の歴史を探るにあたり、同時期に開発されたチサ1000形や、これらの前身であるチサ1300形、トチサ1500形とも関連して理解することが重要です。

チサ800形の歴史

チサ800形は、1928年（昭和3年）に樺太庁が製造した三軸長物車から発展しました。当初、樺太庁は20トン積みの貨車を、汽車製造東京支店で合計25両生産しました。この時、形式名はチ1200形として定められ、主に木材の運搬に利用されました。後にこの貨車には重量記号が追加され、チサ1300形に改称されました。

1943年4月1日に樺太が日本本土に編入され、樺太庁の鉄道部門も鉄道省に移管されることとなりました。この際、チサ1000形（210両）、チサ1300形（25両）、トチサ1500形（90両）の他、チサ800形も鉄道省に取り込まれました。すべての形式が三軸貨車で20トン積みでしたが、1944年9月に積載荷重が22トンに改正されたことに伴い、チサ800形（チサ800 - チサ824）に改名されます。

形式名が3回変更されたことにより、同一の車両でも時期によって名称が異なるため、調査の際には注意が必要です。車両の寸法は、全長8,623mm、全幅2,620mm、全高2,650mmであり、車体は黒く塗装されていました。

しかし、戦局の悪化により樺太の貨車は放棄され、1945年に除籍されることで形式として消滅しました。

チサ1000形の特徴

次に、チサ1000形について説明します。この型は、樺太鉄道が1929年から1941年にかけて210両を製造した20トン積み三軸貨車です。製造を担当したのは日本車輌製造、汽車製造大阪、木南車輛製造であり、その後重量記号を追加した後にチサ1000形に分類されました。樺太鉄道は1941年に国有化され、その後、1943年に鉄道省に移管されました。1944年には積載荷重が22トンに修正され、番号も整理されて「チサ1000 - チサ1209」に決定されました。

トチサ1500形からチサ1000形への統合

トチサ1500形は1934年に樺太鉄道によって製造された20トン積み三軸無蓋車兼用長物車です。こちらも1941年の国有化の後、1943年に鉄道省へ移管されました。1944年にはこの形式も積載荷重を22トンに変更し、番号の整理も行われました。しかし、鉄道省には無蓋車兼用長物車のカテゴリーがなかったため、これらの車両はチサ1000形（チサ1210 - チサ1299）に編入される運びとなります。コレクティブには合計300両の車両がチサ1000形として運用されましたが、その中でも各車両が異なる外観を持つことが特徴でした。

最後に

戦局の悪化によって、これら華やかな背景のある車両も、1945年に除籍され形式は消滅する運命をたどります。チサ800形、チサ1000形、トチサ1500形の歴史は、当時の日本における貨物輸送の重要性と、それを支えた技術の進歩を物語っています。これらの貨車が果たした役割を理解することで、日本の鉄道貨物輸送の過去をより深く知ることができるでしょう。

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