国鉄テ1形貨車

国鉄テ1形貨車

国鉄テ1形貨車は、かつて日本国有鉄道（国鉄）およびその前身である鉄道省等に在籍した、12トン積みの鉄製有蓋車です。この貨車は、1928年5月の車両称号規程の改正によって、テワ1113形およびテワ1257形から460両が一つの形式に統合され、テ1形（テ1 - テ460）と名付けられました。

形式の由来

テワ1113形は、元々関西鉄道に由来する形式で、1911年に制定された車両称号規程に基づいて誕生しました。この形式は、テワ1113とテワ1114の2両で構成されていました。対して、テワ1257形は1912年から1914年にかけて450両が製作され、テワ1257からテワ1449およびテワ26000からテワ26256まで多岐にわたりました。

編入と転用

1943年には、鶴見臨港鉄道が国鉄に買収された際に、そのテ5501形80両（テ5501 - テ5580）が本形式（テ461 - テ540）に編入されました。また、翌年の1944年5月1日には、西日本鉄道の一部も同様に買収され、ここから5両（テ541 - テ545）が本形式に組み入れられました。

特徴と設計

テ1形貨車は、雨水が漏れにくいように設計されたワゴントップ構造を特徴としています。このデザインは、以降のテム300形に引き継がれる重要な要素となりました。なお、一部の車両では、補強が外側に取り付けられているものもありました。関連する形式として東武鉄道のテ201形や、上毛電気鉄道内に保存されているテ241が挙げられます。

仕様

この貨車の外観は黒一色で塗装されており、寸法については全長が6,122 mmから6,199 mm、全幅が2,464 mmから2,642 mm、全高が3,426 mmから3,558 mmです。さらに、実容積は26.9 m³から25.3 m³に及び、自重は約6.7 tでした。

廃車と消滅

テ1形貨車は、国鉄における重要な貨車として長い間使用されましたが、1952年8月9日に最終的に在籍していたテ425とテ508が廃車され、これによりこの形式は消滅しました。

参考文献

• - 『貨車略図 明治四十四年 鉄道院』1990年、復刻 鉄道史資料保存会
• - 貨車技術発達史編纂委員会 編『日本の貨車―技術発達史―』2008年、社団法人 日本鉄道車輌工業会刊

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