国鉄トラ4000形貨車

国鉄トラ4000形貨車

国鉄トラ4000形貨車は、昭和13年から16年にかけて日本国有鉄道（国鉄）およびその前身である鉄道省に在籍した無蓋型の貨車です。トラ4000形は、15トン積みの無蓋車であるトム19000形に対して、17トン積みの設計で製造されました。また、二軸無蓋貨車という名前からもわかる通り、二つの車輪で支えられている構造です。

概要

1938年以降の日本国鉄では、無蓋車の製造が進められ、トムとトラの二形態が平行して生産されました。この背景には貨物輸送の効率を向上させる意図があり、トラ4000形はその一環として登場しました。具体的には、トム19000形の短縮版としての位置づけとなります。

製造の経緯

トラ4000形は1938年から1941年にかけて741両が製造されました。これらは日本車輌製造東京支店で生産され、番号はトラ4000からトラ4749までの範囲にわたりました。特に1940年の年間で420両が一気に製造されたのが特徴です。

構造の仕様

トラ4000形の設計は、前級のトラ1形をほぼ踏襲しており、荷台は長さ8,130mm、幅2,480mm、高さ850mmで、床面積は20.2平方メートルに達します。床は木製で、台枠長さも8986mmとされ、鋼材の使用が進んだことで軽量化に寄与しました。また、あおり戸はトム19000形と同様に取り外しが可能です。

形態としては、前期のモデルと後期のモデルに分けられます。前期形はトラ4000からトラ4099までの100両と推定されています。。

戦後の改造

1948年には745両が残存していたトラ4000形ですが、1951年から1953年にかけて行われた更新修繕により、735両があおり戸と妻板を木製に改造されました。これにより、荷台寸法が少し狭くなる変化がありましたが、形式変更は行われていません。

廃止の経緯

その後トラ4000形は全国各地で一般貨物として利用されていましたが、1958年頃から次第に廃車が進みました。1968年のダイヤ改正では、高速化不適格車として特定の地域や北海道に配置されました。最終的には1970年に実質的に形式消滅し、書類上では1983年に消滅しました。

改造や譲渡

トラ4000形は1959年に、石炭車のセラ1形へと改造され、一部の部品が流用されました。また、小坂鉄道においてもトラ4156などの4両が譲渡され、新たにトラ4001からトラ4004と名付けられました。これらの譲渡車はその後、長い運用を経て保存されているものもあります。

他の同形車

阪和電気鉄道のトラ900形においても、10両がトラ4000形と非常に似たデザインで製造されました。これらも1944年の国有化により、国鉄トラ4000形に編入されました。

参考文献

• - 「日本の貨車―技術発達史―」貨車技術発達史編纂委員会編
• - レイルマガジンでの貨車研究室の特集などが参考資料として利用されています。

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