国鉄レ1形貨車

レ1形貨車について

レ1形貨車は、元々日本国有鉄道の前身である鉄道省で使用されていた冷蔵車です。この貨車は1928年に改正された称号規程により、旧型冷蔵車3形式が統合され、合計95両（レ1 - レ95）が製造されました。レ1形貨車は、1908年から1912年にかけて登場した冷蔵車の流れを汲むものです。

歴史的背景

19世紀末、日本において漁業が発展し、人口が大都市に集まる中、漁港から都市への鮮魚輸送の需要が急増しました。当初、鉄道を利用して鮮魚を運ぶ際には「魚運車」と呼ばれる通風車が使用されていましたが、氷を使った冷却では長距離の輸送は困難でした。これを受けて、鉄道国有化後の帝国鉄道庁は、本格的な冷蔵車の導入に着手しました。

レソ200形

1908年には日本初の冷蔵車、レソ200形が登場しました。設計は1907年に行い、翌年に10両が完成しました。当初は「レ1 - レ10」という記号が付与されるも、商業運転は6月から開始されました。下関、大阪、新橋、青森を結ぶ主要な輸送路で使用されました。レソ200形は妻全氷槽式冷却を採用し、フェルト断熱材を持つ構造で、全長6,275mm、荷重は5tでした。その後、氷槽が使用されなくなり、荷重が7tに増加しました。1911年、車両称号規程によって「レソ」の記号が付与され、1928年にはレ1形へ編入されます。最終的には1931年にレ5が廃車され、この形式は消滅しました。

レソ210形

次に登場したのがレソ210形で、1909年に20両が製造されました。これは日露戦争で使用された有蓋車を改造したものであり、当初の記号は「レ11 - レ30」でした。レソ200形と同様に妻全氷槽式で、性能もほぼ同等でしたが、真空ブレーキを装備していました。しかし、氷槽が使用されなくなったことにより、その後撤去されてしまいます。1911年にレソ210形に改名され、1928年にレ1形第2グループに編入されましたが、1933年には全ての車両が廃車されました。

レソ230形

最後に、1911年から1912年にかけて製造されたレソ230形について触れます。この型は150両が量産され、四日市工場と神戸工場で製造されました。新製車両として、当初はレソ230 - レソ299、及びレソ25000 - レソ25079という番号が与えられました。このモデルは無氷槽式で、断熱材はフェルト、荷重は8tで真空ブレーキを装備していました。1928年にレ1形第3グループに編入された後、残りの車両は昭和初期に廃車となる中、唯一1948年まで生き残った車両が存在しました。この車両の廃車によって、レ1形貨車は完全に姿を消しました。

まとめ

レ1形貨車は、日本の冷蔵車の歴史の中で重要な役割を果たしました。その登場により、鮮魚輸送はより効率的に行われるようになり、内容盛りだくさんの歴史を有しています。今後も鉄道輸送の歴史を学ぶ中で、その影響を感じ続けることでしょう。

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