国鉄ワム23000形貨車

国鉄ワム23000形貨車

国鉄ワム23000形貨車は、日本の鉄道史において重要な役割を果たした15t積みの鋼製有蓋貨車です。1938年に日本国有鉄道（旧鉄道省）によって製作され、その後の戦争や経済状況に影響を受けつつ多くのバリエーションが生まれました。

概要

国鉄が有蓋車の製作を始めたのは1929年で、最初のモデルは15t積みのワム21000形でした。しかし、1930年代は世界恐慌による影響で生産が縮小し、10t積みの小型貨車であるワ22000形への移行が行われました。その後、1937年の日中戦争の影響で15t積みの需要が再び高まりました。この背景のもと、ワム21000形の設計を基に改良を加えたワム23000形が登場しました。

この貨車は、ワム21000形の基本構造を踏襲しつつ、通風口の増設などの改良点を取り入れています。サイズは、床面積15.9m²、床面高1,090mm、入口扉の幅は1,700mmと、前の型と変わらない設定です。走行装置は一段リンク式で、効率的な運搬を実現しています。

分類と製造

ワム23000形は1938年から1954年にかけて15,305両が製造されました。この数には改造車も含まれており、国鉄の標準的な15t積み有蓋車の代表ともいえる存在でした。戦前のタイプでは約6,500両が製造され、ドア構造など細かな違いが存在しました。一部は戦争中に制作が中止されたため、欠番も多数あります。

戦後の1946年からは、配慮された改造を受けながら新たに製造が再開され、29998以降の番号が付与されました。また、トキ900形無蓋車から改造された32000番台も1950年以降に登場しました。さらに、ワム23000形と同時期には35000番台グループが製造されました。

走行装置の改良

1953年から1968年にかけて、2軸貨車の速度向上を図るために、ウォム23000形から改造されたワム90000形が登場しました。初期の改造車は90000番台として番号が付与されましたが、後の改造車は123000番台となりました。

この時期には、一般貨物列車の最高速度も75km/hに引き上げられたため、改造されないまま残っていたワム23000形も、1971年にすべて廃車となりました。ただし、公式には霊的には1983年まで在籍していたことになり、その後完全に形式消滅を迎えました。

他用途への改造

ワム23000形からの派生として、1948年には1両がヤ400形に改造され、客車籍へと類別変更されました。また、1953年以降はヤ1形となり、様々な試験車に変貌を遂げました。さらに、後続のワム2000形や西武鉄道のワム201形といった同系列車両も製造され、国鉄の貨物輸送網において多様な役割を果たしました。

結論

国鉄ワム23000形は、ただの貨車にとどまらず、戦争の影響や時代の変遷を受けていくつもの改良が施され、用途の変化にも柔軟に対応してきたトランスポートの一つです。その豊かな歴史と多様性は、鉄道ファンや歴史を愛する人々にとって、今なお興味深いテーマとして残り続けています。

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