国鉄123系電車

123系電車（123けいでんしゃ）について

123系電車は、日本国有鉄道（国鉄）及びその後のJR各社（JR東日本、JR東海、JR西日本）によって導入された直流近郊形電車です。この形式は1986年から1988年にかけて投入されました。

導入の背景

1986年11月1日のダイヤ改正に伴う鉄道手荷物および郵便輸送の廃止により、余剰となった荷物電車などを改造し、利用者が少ない電化ローカル線向けに投入されました。この電車は両側に運転台を持つ単行電車を母体にしており、国鉄では初めての旅客輸送用貨物車両です。今までの荷物輸送から旅客輸送へと役割がシフトし、迅速な対応が求められる硬派な電車として運行されました。

車両構成

123系電車はクモハ123形が主に使用され、合計13両が存在しました。これらは、クモニ143形（0番台）、クモユニ147形（40番台）、クモヤ145形（600番台）を改造したものです。これらの改造によって外観や扉の位置が異なる一方、車両の座席は全てがロングシートで統一されています。

0番台：クモハ123-1

中央本線の辰野-塩尻間向けに、国鉄長野工場でクモニ143-1から改造されました。「ミニエコー」と名付けられ、1986年11月に使用が始まりました。側面には片開扉が設けられ、冷房装置の設置や、ワンマン運転の装備が追加されるなど、徐々に進化を遂げました。

40番台:

国鉄分割民営化前の1987年に改造された3両は、可部線向けに用意されました。外観の特徴として、大きな窓の設置や、バケットタイプの座席が採用され、快適さが向上しました。さらに冷房設備が整い、運転席には重要な装備が配備されました。

600番台:

JR東海の600番台は、1988年に改造が行われ、3扉車両として異なる特性を持つ車両に生まれ変わりました。これもまた冷房装置の設置が行われ、快適な輸送手段として運用されました。

各社の運用状況

JR東日本

JR東日本ではクモハ123-1が継承され、辰野駅から塩尻駅間での运行が行われました。2013年には「ありがとう123系」の札を掲げた特別運用も行われましたが、同年のダイヤ改正によりE127系に置き換えられました。

JR東海

JR東海には40番台と600番台が在籍し、それぞれ身延線などでの用途に応じて活用されました。しかし、2006年以降、多くの車両が廃車となり、最終的には313系に置き換えられました。

JR西日本

JR西日本ではクモハ123-2から6が宇部線や小野田線で使用され、徐々に確保されていました。近年ではトイレの設置や外装の塗装変更がなされるなど、時代に対応した改修も行われています。

まとめ

123系電車は、国鉄やJR各社のフィールドで重要な役割を果たしてきました。バリエーション豊かな仕様と柔軟な改造が特徴であり、今もなお、多くの鉄道ファンや地元住民に愛され続ける存在です。

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