宇部線

宇部線（うべせん）

宇部線は、山口県山口市の新山口駅から宇部市の宇部駅に至る、JR西日本が運営する鉄道路線です。この路線は西日本旅客鉄道の幹線の一部であり、主に周防灘に沿って敷かれています。沿線では、宇部市の中心市街地を通るため、両市を結ぶ重要な交通路として機能しています。

路線の概要

宇部線は、山口市南部と宇部市の中心部を結んでおり、主な旅客輸送は宇部駅から新山口駅への交通となっています。宇部駅からは厚狭駅や下関駅などの西側方面への直通が可能ですが、東側方面へ向かう路線は新山口駅での乗り換えが必要です。

以前は、石炭などの貨物輸送も行われていましたが、1998年に宇部興産向けの石灰石輸送がトラックに切り替えられ、それに伴い多くのあった支線が廃止されました。宇部線は、全線にわたって広島支社の山口エリア統括部が管轄しており、視覚的には赤紫色のラインカラーで知られています。

路線データ

• - 管轄：西日本旅客鉄道（第一種鉄道事業者）
• - 路線距離：33.2 km
• - 駅数：18（起終点駅を含む）
• - 軌間：1067 mm
• - 複線：なし（全線単線）
• - 電化区間：全線（直流1500 V）
• - 最高速度：85 km/h
• - 終日自動閉塞方式を採用

歴史

宇部線は、1914年に宇部軽便鉄道により開業し、その後宇部鉄道に改称されました。1925年までに小郡駅（現在の新山口駅）まで延伸され、1943年に国有化されてから宇部線と名前が変更されました。この一連の運営の中で、旅客輸送の充実を図り、戦後には路線の改良整備が進められました。

国有化後、貨物輸送の効率化が図られ、1952年には小野田線との直通運転が開始されました。その後も多くの改良工事が行われ、輸送力の向上が達成されました。1987年の国鉄分割民営化で、宇部線はJR西日本に引き継がれました。

運行形態とサービス

2023年3月に全ての列車がワンマン運転に切り替わり、標準的には約1時間ごとに列車が運行され、特に朝夕には都市間直通を含む運行が行われています。1980年～1990年代には定期快速列車も存在しましたが、現在は全ての列車が普通列車として運行されています。運行する区間には宇部岬駅や宇部新川駅から宇部駅への便もあり、バスと連携した運行体制が整っています。

現状と今後の展望

かつての発展を経た宇部線ですが、今后は乗客数の増加や交通手段の変化に対応する必要があります。特に、宇部市が提案したBRT化の検討が行われましたが、コスト面での課題が浮き彫りになり、現在はその計画が凍結されている状況です。宇部線は、歴史的な背景と現代の交通網の中で、地域社会に根差した重要な役割を担い続けています。

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