国鉄1325形蒸気機関車

1325形蒸気機関車についての詳細

1325形蒸気機関車は、日本の国有鉄道に所属していたタンク式蒸気機関車です。元々は博多湾鉄道のために1911年にアメリカのロジャーズ工場で製造されたもので、車軸配置は0-6-0 (C)であり、2気筒単式の飽和式汽車です。博多湾鉄道では8形という名称で呼ばれ、8両および9両が初めて導入されました。

1942年には西日本鉄道が設立され、その後1944年には糟屋線が戦時買収されることにより、鉄道省の管理下に移行しました。国有化の際、1325形は1325及び1326に改編されましたが、多くは使用されることがなく、1947年と1950年に次々と廃車となる運命をたどりました。

設計概要と性能

1325形の設計は、主にアメリカの技術を反映しています。全長は8,829mm、全高は3,733mm、全幅は2,527mmで、軌間は1,067mmです。動輪の直径は1,117mmで、スチーブンソン式アメリカ型の弁装置が搭載されています。また、シリンダーは355mmの直径を持ち、行程は609mmです。

ボイラー圧力は11.3kg/cm²で、火格子面積は1.2m²、全伝熱面積は63.5m²です。また、煙管蒸発伝熱面積は59.6m²、火室蒸発伝熱面積は3.8m²という数値を誇ります。小煙管は直径56mm、長さは3,580mmで、106本が配置されています。機関車の運転整備重量は35.43トン、空車重量は28.45トンです。

機関車の動輪上重量は運転整備時に35.43トンであり、第2動輪の軸重は12.11トンです。また、水タンクの容量は4.55m³、燃料積載量は0.96トンです。シリンダ引張力は約6,580kgに達し、ブレーキ装置には手ブレーキと蒸気ブレーキを備えています。

歴史的意義と後の影響

1325形は、日本の蒸気機関車の発展において一つの重要な存在でした。特に、その設計技術は日本の鉄道技術における一つの指標となり、後の機関車に影響を与えました。その生産から国有化、最終的な廃車までの過程は、当時の日本の鉄道の変遷を物語っています。

国鉄の蒸気機関車としては、短い運用期間だったものの、1325形は個性的な特徴を持ち、それまでのタンク式蒸気機関車に新たな視点をもたらしました。歴史的な観点から見ると、この機関車は鉄道の近代化と国有化の流れの一端を象徴していると言えるでしょう。

参考文献としては、臼井茂信氏の『国鉄蒸気機関車小史』や『日本蒸気機関車形式図集成 1』、金田茂裕氏の『形式別 国鉄の蒸気機関車 I』などが挙げられ、これらの資料は1325形蒸気機関車の詳細やその歴史的背景を理解するのに非常に有用です。

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