国鉄170形蒸気機関車

国鉄170形蒸気機関車について

国鉄170形蒸気機関車は、日本の歴史的な鉄道技術を象徴するタンク式蒸気機関車で、元々は西成鉄道により1903年に製造されました。その後、1906年に鉄道国有法の施行に伴い、国設鉄道の一部としての地位を確立しました。この機関車は、鉄道院に在籍した蒸気機関車として注目されています。

機関車の概要

170形は、車軸配置が2-4-0（1B）のタイプであり、2つのシリンダーを持つ単式の飽和式タンク機関車です。製造当初から2両（製造番号13、14）が用意されました。機関車は、後に3（2代目）、1（3代目）といった名称で呼ばれることとなります。

当時、汽車製造は2-4-2（1B1）のA10形という車両を大量生産していたため、2-4-0形の170形は特異な存在でした。この特殊な製造は、かつて1900年に徳島鉄道で製造された5号機関車の部品を譲り受けて完成させたことに起因していると考えられています。これにより、主要な技術的仕様として、車輪やシリンダーの径、軸距が同一となる結果でした。

1909年に、鉄道院は新しい形式称号規程を制定し、この機関車も170形（170, 171）に改められました。170形は1916年までの在籍期間を経て、廃車される運命にありましたが、その後の運命は興味深いものでした。

廃車後の運命

170は秋田鉄道に譲渡され、その後「4・2」と改番されました。この秋田鉄道は1934年に国有化され、170は再び国有鉄道籍に復帰しましたが、元の番号には戻らず、新たに115形（115）として番号が再振り分けされました。1937年には梅鉢鉄工所に渡り、1950年代まで現役として使用され続けました。

もう一方の171は、白棚鉄道に譲渡され「2」と改番されましたが、1938年に国有化された際に元の番号に戻されました。そして、171も1942年に南越鉄道に譲渡され、同社の番号3と呼ばれることになりました。しかし、この機関車も1949年頃には廃車されてしまいました。

主要スペック

国鉄170形蒸気機関車の基本スペックは以下の通りです：

• - 全長: 8,636mm
• - 全高: 3,658mm
• - 軌間: 1,067mm
• - 動輪直径: 1,372mm
• - ボイラー圧力: 9.1kg/cm²
• - 機関車運転整備重量: 27.72t
• - 水タンク容量: 3.17m³
• - 機関車性能: シリンダ引張力は3,360kg

このように、国鉄170形蒸気機関車は日本の鉄道の歴史において重要な役割を果たし、さまざまな運用を経て、多くの人々に記憶されています。この機関車の存在は、当時の技術と鉄道の発展を物語る貴重な遺産と言えるでしょう。

もう一度検索