国鉄1800形蒸気機関車

1800形蒸気機関車について

1800形は、日本国有鉄道の前身である工部省鉄道局が輸入したタンク式蒸気機関車です。この機関車は1881年にイギリスのキットソン社から輸入され、主に急勾配に対応するために設計されました。特に東海道線の京都 - 大津間でその能力を発揮しました。実際、ここで使用される際には25‰の急勾配が連続している区間でしたが、1800形は高性能でありながら石炭消費を抑え、乗務員からも好評を得ていました。

機関車の設計

1800形は特異な動軸配置を持ち、先輪と従輪を有しない動軸3軸のタンク機関車です。この設計は、当時の神戸汽車監察方、B・F・ライト（Benjamin Frederick Wright）によるものです。1881年に輸入された8両は、運番号2371から2374及び2452から2455までが付与され、1892年に形式Yと改称されました。それぞれの番号の順は一定しておらず、特定の製造番号に特定の運番号が付与される複雑な状況でした。

1800形の機関車は、過去にも多くの私設鉄道で使用された実績があります。特に、日本鉄道、甲武鉄道、岩越鉄道、北越鉄道、北海道鉄道などが、キットソン社以外にもダブス社やベイヤー・ピーコック社などの多様なメーカーから同形機を輸入しており、これらの機関車は1800形とも呼ばれることがあります。

塗色とデザイン

1800形の塗色については記録が残されており、藤黄と暗き葡萄酒色の混合が施されていたとされています。残念ながら、その具体的なデザインの復元は難しいものの、明るい色合いが使用されていたことは確認されています。これは当時の技術や美的感覚を反映するものとしても興味深い側面です。

主要仕様

• - 全長：8,801mm
• - 全高：3,658mm
• - 軌間：1,067mm
• - 動輪直径：1,219mm
• - ボイラー圧力：9.8kg/cm²
• - シリンダー直径×行程：381mm×559mm
• - 機関車運転整備重量：39.81t
• - 水タンク容量：4.5m³
• - 燃料積載量：1.53t

形式の変遷

1892年には形式Yに改称され、1893年にはさらに改番が行われました。また、北越鉄道からも1896年には同形機が輸入され、形式Bとして知られるようになりました。このように、1800形は時代と共に各鉄道、各形式に変化しながらその役割を果たしてきました。

譲渡と保存

1800形は非常に高性能であったため、活躍の場が多岐にわたりましたが、その高さや重さから譲渡されることは少なかったようです。その後もいくつかの機関車が譲渡後に廃車等になりましたが、一部は保存されており、特に1801号機は大阪市の交通科学博物館にて保存されている貴重な実物です。目にすることで、歴史を感じることができます。

結論

1800形は、日本の鉄道史における重要なタンク式蒸気機関車であり、その性能や設計は今なお多くの鉄道ファンに愛されています。輸入されて使用された背景やその後の展開、そして現在の保存状況を知ることで、より深い理解が得られることでしょう。

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