国鉄2700形蒸気機関車

国鉄2700形蒸気機関車の概要

国鉄2700形蒸気機関車は、日本国有鉄道の前身である鉄道院および鉄道省に所属していたタンク式の蒸気機関車です。この機関車は1897年に房総鉄道によってアメリカから輸入され、その後日本の鉄道史において重要な役割を果たしました。

歴史的背景

2700形は、房総鉄道がアメリカのクック・ロコモティブ・アンド・マシン・ワークスから輸入した2両の機関車から始まります。製造番号2370と2371のこの機関車は、車軸配置0-6-2(C1)で、2気筒の単式飽和式の設計を持っていました。初めは、製造番号に基づいて6、7と命名されていましたが、1899年には北越鉄道に譲渡され、その際にD形（13, 14）に改名されました。1900年には北越鉄道に正式に登録されました。

この機関車は、独特の設計が特徴であり、動軸の一部がフランジレスである点が特に目を引きます。しかし、この設計のために、先頭の動輪の摩耗が激しく、脱線のリスクが高まったことから、逆行運転が常態化しました。さらに、動輪の摩耗を修正するために、動輪のタイヤを入れ替える改修も行われました。

国有化と改番

1907年、北越鉄道は国有化され、その後1909年には車両称号規程に基づいて2700形（2700と2701）に改番されました。国有化以降、この機関車は敦賀や長野で入換用に使われるようになりましたが、その後富山や大宮に移転されました。しかし、1922年には廃車となり、一部は常総鉄道に譲渡されたものの、使用史が良好とは言えず、最終的には1931年に廃車されました。

機関車の整備と性能

2700形の各種諸元は非常に興味深く、全長は10,109mm、全高は3,886mm、全幅は2,451mmとされています。動輪直径は1,372mmで、ボイラーの圧力は9.8kg/cm²でした。また、シリンダーの直径は381mm、行程は508mmで、機関車の総重量はおよそ37.08トンです。

1910年と1911年に、先輪の追加工事が行われ、車軸配置は2-6-2(1C1)に変更されました。この改修に伴い形式は3040形に変更され、全長は10,579mmまで拡大されました。重さも52.30トンとなり、性能面でもシリンダ引張力は4,480kgにまで達しました。同時に、改修に伴って炭庫の下部が水タンクとして拡大されました。

最後の運命

2700形の最後は、1922年の廃車によって幕を閉じました。3021は常総鉄道に払い下げられましたが、こちらでも効果的に使用されたわけではなく、最終的には1931年に運用を終了しました。

このように国鉄2700形蒸気機関車は、日本の鉄道の初期の重要な技術革新と運用の歴史を語る象徴であり、その影響は今もなお多くの鉄道ファンに愛されています。

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