国鉄3100形蒸気機関車

3100形蒸気機関車

3100形は、かつて日本国有鉄道とその前身である鉄道院及び鉄道省に所属していたタンク式の蒸気機関車です。この機関車は、アメリカのアメリカン・ロコモティブ社製で、特に印象的な点はその車軸配置が2-6-2 (1C1)で、単式2気筒の飽和式設計であることです。製造はスケネクタディ工場で行われ、元々は1906年に九州鉄道が導入したものでした。九州鉄道は1907年に国有化され、その結果、3100形として再命名されました。

特徴と設計

3100形の最大の特徴は、非常に大きな水槽容量（11.36m³）とその自重（公称59.9t）です。側水槽はかなり高く、シリンダーから運転台までの距離をカバーする位置にあります。しかし、側水槽だけでは水の容量が不足するため、運転台の両側の床下にも追加の水槽が配置されています。この設計により、長距離走行や強力な牽引力が実現されていますが、九州鉄道当時の貧弱な施設環境においては、大きな軸重が軌道や橋梁に悪影響を与える結果となりました。

1914年のデータによると、運転整備時の重量は69.6t、動輪上の重量は51.9tでした。特に第2動輪の軸重は18.3tに達し、国有鉄道において前例のないほどの重さでした。こうした過剰な重量の原因は、製造時の計算ミスであると考えられています。

軸重軽減対策

国有化後は、軸重の軽減が急務となりました。1918年には小倉工場で改装が行われ、水槽の容量を7.3m³に減らし、運転台後方の石炭庫も低く改良されました。これによって、側水槽の長さも短縮され、外観にも変化が現れました。改装後の動輪上重量は41.9t、最大軸重は14.1tに軽減されていますが、運転台下の水槽はそのまま残されていました。

運行歴

初期の3100形は、筑豊地区で運炭列車の牽引に使われました。その後、強力な牽引力を利用して鹿児島線の急勾配区間に転用されましたが、1914年以降は4110形に代替され、再び筑豊地区に戻って入換や小運転などに活用されていました。

初めて廃車となったのは3123号で、1933年に産業セメント鉄道に払い下げられましたが、1943年の戦時買収で国有鉄道に戻されました。その後、1934年にはさらに2両が廃車となり、残りは1948年及び1949年に廃車されました。3100形は一般的には失敗作と見なされていましたが、その強大な牽引力のおかげで長い間運用が続けられました。

主要諸元

改装前の3100形の主要諸元は以下の通りです。

• - 全長: 11,443mm
• - 全高: 3,823mm
• - 全幅: 2,753mm
• - 軌間: 1,067mm
• - 車軸配置: 2-6-2 (1C1)
• - 動輪直径: 1,219mm
• - 弁装置: スチーブンソン式アメリカ型
• - シリンダー: 432mm×559mm
• - ボイラー圧力: 12.7kg/cm²
• - 火格子面積: 1.64m²
• - 全伝熱面積: 110.6m²
• - 機関車運転整備重量: 69.63t

改装後の諸元は若干異なりますが、3100形の魅力はその独特な設計と運行歴にあります。そのデザインの背景には、鉄道の発展に寄与するための多くの技術的な試行錯誤があったことを思い起こさせます。

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