国鉄3150形蒸気機関車

3150形蒸気機関車の詳細

3150形は、日本の鉄道史に名を刻むタンク式蒸気機関車で、その運行は国鉄の前身である日本国有鉄道に関連しています。この機関車は、1904年に神戸工場で4両が製造され、当初は521から524の番号で呼ばれていましたが、1909年には新たな車両称号規程に従い3150形に改番されました。

車両の設計と製造

3150形は、2-6-2の車軸配置を持つ単式2気筒の飽和式タンク機関車で、特に急勾配区間の運行を考慮して設計されました。これにより、東海道線の京都から馬場間の急勾配に対処するための有力な車両となりました。事実、この機関車の設計は、先にイギリスから輸入されたB5形と同様の目的を持っていましたが、神戸工場で製作されたB6形とも多くの共通点があります。

技術面では、リチャード・フランシス・トレビシックの監修を受けており、彼のデザイン理念は煙室前板の形状に顕著に表れています。また、弁装置にはジョイ式基本型が使用されています。これにより、高い運行性能を誇ることができました。

運行と廃車

全国的には主に京阪神地域で使用され、大阪、神戸、梅小路などの地区に配属され、主に貨物列車の牽引に従事しました。しかし、1922年には全車両が廃車され、その後の運命は民間に払い下げられたものの、保存されたものは存在しません。これは、3150形が短期間での運行を余儀なくされたことを示しています。

主要諸元

• - 全長：10,699mm
• - 全高：3,658mm
• - 全幅：2,460mm
• - 軌間：1,067mm
• - 動輪直径：1,245mm
• - シリンダー：406mm×610mm
• - ボイラー圧力：10.5kg/cm²
• - 火格子面積：1.4m²
• - 全伝熱面積：96.7m²
• - 煙管蒸発伝熱面積：88.4m²
• - 火室蒸発伝熱面積：8.27m²
• - ボイラー水容量：3.17m³
• - 機関車運転整備重量：50.23t
• - 機関車空車重量：39.51t
• - シリンダ引張力：7,210kg
• - 水タンク容量：5.95m³
• - 燃料積載量：2.29t

まとめ

短い運用期間にもかかわらず、3150形蒸気機関車は日本の鉄道において重要な役割を果たしました。技術的な革新や特定の用途に応じた設計が、当時の急勾配区間での活躍を可能にしました。これらの要素は、鉄道史において3150形を読み解く際の重要なキーワードとなるでしょう。煤煙や蒸気の香りが漂うレールの上で、3150形は長い間多くの鉄道ファンや利用者に親しまれてきたことは間違いありません。

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