国鉄3165形蒸気機関車

3165形蒸気機関車の概要

3165形は、かつて日本国有鉄道の源流である鉄道省に所属していたタンク式蒸気機関車です。この機関車は、中国鉄道から1944年に戦時買収された6形（10）に由来しています。その際、機関車は国有化され、3165形という新たな形式番号が付与されました。

国有化後、この機関車は軸重や火格子形状に問題があり、使用が難しいものとなっていました。結果として、私鉄時代の晩年から国有化後の長期間にわたり、ほとんど稼働することがなく休車にされてしまいました。そして1948年には廃車となりました。

技術的特徴

この机関車は、1910年にドイツのハノーファー機械製作所で製造されたもので、車軸配置は2-6-2(1C1)の構造を持ち、2気筒単式の飽和式タンク機関車です。全長は11,509mm、全高は3,683mm、全幅は2,489mmと、3170形と近い大きさを誇っていますが、側水槽が大きくて背も高く設計されています。また、狭火室のため、火室は台枠の内側に収められています。

火格子面積は1.99m²に達し、火格子のサイズは2m²を超え、投炭は約2.2mに達する必要があります。これにより、機関車の運用には相応の燃料供給能力が求められることになります。

設計の背景

この機関車は、1904年に汽車製造が台湾総督府鉄道向けに製造したタンク機関車（50形）と類似していることが示唆されています。特殊な事情から、中国鉄道が汽車製造に仕様書を発行させ、価格的な選択肢としてドイツ製の方を選んだという説も存在します。その背景により、ドイツ製では珍しく、弁装置はスチーブンソン式アメリカ型が採用されています。

主要諸元

以下は、3165形の主要な諸元です。

• - 全長: 11,509mm
• - 全高: 3,683mm
• - 全幅: 2,489mm
• - 軌間: 1,067mm
• - 車軸配置: 2-6-2(1C1)
• - 動輪直径: 1,245mm
• - 弁装置: スチーブンソン式アメリカ型
• - シリンダーサイズ: 406mm×559mm
• - ボイラー圧力: 11.2kg/cm²
• - 火格子面積: 1.99m²
• - 全伝熱面積: 93.03m²
• - 小煙管の仕様: 45mm×3,320mm×198本
• - 運転整備重量: 52.17t
• - 空車重量: 39.76t
• - 動輪上重量: 35.97t
• - 動輪の軸重: 12.14t
• - 水タンク容量: 6.82m³
• - 燃料積載量: 2.12t
• - シリンダ引張力（0.85P）: 7,050kg
• - ブレーキ方式: 手ブレーキおよび真空ブレーキ

結論

3165形は、その短い生涯の中でさまざまな背景と技術が交錯した蒸気機関車です。特に、戦時中の国有化という特殊な経緯から、その活躍の場は限られていました。ただし、技術的な側面や設計の背景を考えると、日本の鉄道発展の一端を担ったことは間違いありません。

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