国鉄3300形蒸気機関車

3300形蒸気機関車の詳細

3300形は、かつて日本国有鉄道及びその前身である鉄道院や鉄道省に存在したタンク式蒸気機関車です。この機関車シリーズは、アメリカのボールドウィン・ロコモティブ・ワークスから輸入されたもので、2-6-2という車軸配置（1C1）を持ち、単式2気筒の飽和式構造を特徴としています。寸法は3030形や3250形と比べるとやや大きいものの、メーカー規格では10-24 1/4Dと定義されています。なお、同系列の山陽鉄道32形は、この3300形を基にしたヴォークレイン4気筒複式のバリエーションです。

導入の背景と導入先

3300形は、そのサイズと性能から貨物輸送や勾配線での活躍に適しており、筑豊鉄道（初代）、播但鉄道、豊州鉄道（初代）、山陽鉄道によって合計24両が導入されました。1906年に公布された鉄道国有法により、これらの車両は九州鉄道（初代）や山陽鉄道を経て官設鉄道に編入されました。ただし、導入した会社ごとに仕様や形状に若干の違いが見られました。

筑豊鉄道での運用

筑豊鉄道においては、1890年から1895年にかけて12両が導入されました。1897年に筑豊鉄道が九州鉄道に営業権を譲渡すると、導入されていた車両は九州鉄道73形として登録されました。具体的には、1890年製の2両、1893年製の5両、1894年製の3両、1895年製の2両がそれぞれ九州鉄道の番号を付与されました。また、1898年にはボイラー破裂事故も発生しましたが、幸いこの事故の後も修復され、運用が続けられました。

播但鉄道と山陽鉄道

播但鉄道では1893年に4両が開業用に導入されましたが、一部は翌年に山陽鉄道に移管されていました。山陽鉄道では、その後もさらに2両を追加し、同じ形式として運用されました。播但鉄道が山陽鉄道に営業権を譲渡した1903年以降、残留車両も山陽鉄道に編入されましたが、形式に関してはなぜか別れた理由は不明です。

豊州鉄道の導入

豊州鉄道でも1894年と1896年に計6両が導入され、その後1901年に九州鉄道に譲渡されて167形となりました。筑豊鉄道の同形式と異なる番号が付与された点も興味深いところです。

車両の改番と国家の手に

1909年に制定された鉄道院の車両形式称号規程に基づき、3300形は3300から3323の番号が付与されることになりました。これにより、国有化された際の全体の動きが整理されました。旧山陽鉄道所属や旧九州鉄道所属の車両は、それぞれ異なる地域に配置され、貨物列車の牽引や入換作業に重要な役割を果たしました。

廃車とその後の運命

3300形の廃車は1918年から始まり、様々な局に配置されていた車両が徐々に廃止されていきました。例えば、1927年から1932年の間に多くの車両が民間に払い下げられた他、最終的な除籍は1950年に行われました。

主要スペック

最後に、3300形の主要諸元を紹介します。

• - 全長: 10,021mm
• - 全高: 3,632mm
• - 全幅: 2,680mm
• - 車軸配置: 2-6-2(1C1)
• - 動輪直径: 1,270mm
• - シリンダーサイズ: 381mm×559mm

このように、3300形は日本の鉄道史の中で重要な役割を果たした車両であり、その歴史は多くの鉄道ファンにとって興味深いものであると言えるでしょう。

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