国鉄3400形蒸気機関車

3400形タンク式蒸気機関車の概要

3400形は、日本国有鉄道の前身である鉄道院・鉄道省に所属していた蒸気機関車です。この機関車は、アメリカのピッツバーグ・ロコモティブ・アンド・カー・ワークスから輸入されたもので、主に40トンクラスのタンク式機関車として知られています。車軸配置は2-6-2（1C1）であり、単式2気筒、飽和式の設計が特徴です。3400形は、ボールドウィン・ロコモティブ・ワークスの3300系よりもわずかに大きく、デザインは特にピッツバーグ流に洗練されています。

導入経緯

3400形は、1896年に南海鉄道および播但鉄道に初めて導入され、その後、1897年には豊州鉄道（初代）、1907年には横浜鉄道が導入し、合計23両が日本に輸入されました。これらの機関車は、国有鉄道に譲渡される過程で大きな役割を果たしました。具体的には、播但鉄道から山陽鉄道に譲渡された1両や、豊州鉄道から九州鉄道に譲渡された12両が国有化された結果、最終的には20両が国有鉄道に編入されました。

この国有化の際、興味深いことに、本来3350形として編入されるべきブルックス社製の機関車が3400形に一本化され、結果的に3400形は21両の機関車として数えられました。

主要諸元

3400形の主要諸元は以下の通りです。

• - 全長: 9,963mm
• - 全高: 3,597mm
• - 全幅: 2,478mm
• - 軌間: 1,067mm
• - 動輪直径: 1,321mm
• - シリンダー（直径×行程）: 381mm×559mm
• - ボイラー圧力: 10.6kg/cm²
• - 機関車運転整備重量: 44.39t
• - シリンダ引張力: 5,480kg

このように、3400形は多様な条件下での運用が可能であり、かつては日本各地で活躍しました。特に南海鉄道や播但鉄道、豊州鉄道からの譲渡を通じて国有化されるまでの経緯があり、多様な運用の中でその価値を証明しました。

南海鉄道での運用

南海鉄道には、1896年に3両が導入されました。南海鉄道の車両番号は、製造番号に基づいて付与され、長年にわたり運用されました。その後、1917年には2両が博多湾鉄道に譲渡されましたが、南海鉄道に残った3両は1923年の電気機関車への移行に伴い用途を失い、1927年に廃車となりました。

その他の鉄道との関係

播但鉄道や豊州鉄道でも3400形は導入され、各鉄道の運用形態に応じて番号が付与されました。特に、豊州鉄道では1897年から1899年の間に12両が導入され、その後九州鉄道に編入されました。これによって、3400形は国有化された後も様々な地域で活用され続けました。

国有化後の運用と廃車

国有化後、3400形は客貨両用の機関車として重宝されました。特に旧九州鉄道の機関車は北九州地区で、横浜鉄道からの機関車は東海地区で活躍しました。しかし、時代の変遷とともに廃車が進み、1949年までに全てが除籍される結果となりました。その中には一部民間に譲渡されたものもありましたが、最終的には全てが国有鉄道籍に組み込まれることとなりました。

3400形は、日本の鉄道史において重要な位置を占める蒸気機関車であり、多くの鉄道会社での運用を通じてその技術と性能を示しました。この機関車の運用の歴史は、国有鉄道の形成とともに日本の鉄道発展に寄与してきたことを示しています。

もう一度検索