国鉄7010形蒸気機関車

7010形・7030形蒸気機関車の詳細

7010形および7030形は、かつて日本国有鉄道前身の鉄道院に属していた蒸気機関車です。1874年、阪神間の鉄道開業に伴い、イギリスから輸入されました。4両が導入され、その製造はキットソン社によるものでした。

構造

これらの機関車は、動輪直径が1,067mmで、車軸配置は0-6-0(C)の設計を持つ2気筒単式の貨物列車用テンダー式蒸気機関車です。テンダーは2軸で構成されており、アラン式の弁装置とサルター式の安全弁が完備されています。ボイラー上には蒸気ドームが設置され、基本的な寸法はバルカン社製の後の7030形とは同じですが、急噴式の安全弁が付加されています。ほとんど大きな変更はなく、運転台の拡大やシリンダーカバーの大型化が一部行われていました。

運転・経歴

キットソン製の4両は、国鉄番号17から20で阪神間の貨物列車の牽引に使われ始めました。1876年にはバルカン社製の4両も導入され、番号は28から31に割り当てられました。この時期、機関車の番号が改番され、異なる地域での運用を調整するため、偶数と奇数番号での管理が実施されました。

1876年、キットソン製の2両は旅客用のテンダー機関車に改造され、主に京都、大津方面へ延長された経路でも運行されるようになりました。1882年には長浜から金ヶ崎間の鉄道が開通し、2両がこちらに移動されました。1894年には機関車がU形に分類され、1898年に実施された鉄道作業局の分類ではE1形となりました。

1906年に鉄道国有法が制定されたことで、1909年には7010形と7030形の正式な称号、形式が設定されました。その際、キットソン製の2両は7010形に、バルカン製の4両は7030形に改められました。7010形の2両は、主に北海道の建設用に使用されましたが、後に他の企業に譲渡され、最終的には1940年頃まで使用されました。

7032と7033は1915年に越後鉄道に譲渡され、状況が変わりながらも運行され続けました。しかし、1927年には越後鉄道が国有化され、再度7030形に戻されることとなり、最終的には1929年に廃車となりました。

主要諸元

7010形の主要な諸元は次の通りです。

• - 全長: 12,408 mm
• - 全高: 3,518 mm
• - 全幅: 2,261 mm
• - 軌間: 1,067 mm
• - 車軸配置: 0-6-0(C)
• - 動輪直径: 1,092 mm
• - シリンダー（直径×行程）: 356mm×508mm
• - ボイラー圧力: 9.8 kg/cm²

5100形は、1876年に改造された2両で、1877年の京阪神間鉄道開通式には登場したという記録も残っています。彼らは多くの運用の変遷を経ながら、最終的に鉄道史の中で重要な位置を占めています。

参考文献

• - 臼井茂信『日本蒸気機関車形式図集成』1969年
• - 金田茂裕『日本蒸気機関車史 官設鉄道編』1972年

これらの機関車は日本の鉄道技術史に名を刻む重要な存在であり、今なおその物語は多くの人々に語り継がれています。

もう一度検索