国鉄8150形蒸気機関車

8150形テンダ式蒸気機関車の歴史

8150形は、かつて日本国有鉄道において活躍したテンダ式蒸気機関車です。この機関車は、アメリカのボールドウィン・ロコモティブ・ワークスで製造され、日本で初めて導入されたアメリカ製の蒸気機関車となっています。日本の鉄道史において重要な役割を果たした8150形について、以下に詳しくご紹介します。

概要

8150形は、鉄道作業局が1890年に初めて導入したもので、最初は6両が製造されました。車軸配置は2-6-0(1C)で、2気筒の単式蒸気機関として設計されています。導入は二回に分けて行われ、最初の2両（製造番号10743, 10744）は1890年3月に導入され、続いて1893年9月に4両（製造番号13756-13758, 13763）が追加されました。これらは後に改番され、101, 103, 138-141に改称されています。

当初、8150形はX形として存在していましたが、鉄道作業局ではE3形と呼ばれました。1909年の国有化に伴い、鉄道院の車両形式称号規程により8150形（8150 - 8155）に改番されました。

機関車の特徴

8150形の外観は、典型的なアメリカ古典機のスタイルを持っています。ボイラーはストレートトップ型で、煙突は初期の車両が先端が開いたパイプ型で、後の車両はストレート形でキャップを付けています。また、煙室は延長形をしており、その中には火の粉防止用の金網が装備されています。従来のアメリカ製機関車に見られたダイヤモンドスタックはなく、前端梁にカウキャッチャーを備えた1次車の特徴が印象的です。

運転室は最初は木製でしたが、後に全車鋼製に改修されました。運転室はコンパクトで、機関士は外火室の右側で運転し、機関助士は炭水車の上から炭を投下するスタイルで作業していました。

運用および廃車

8150形は、主に東海道線や信越線の急勾配区間での利用が想定されていましたが、1906年には2両が北海道に転属し、旧北海道官設鉄道で運用されることになりました。その後、全車両が北海道に配置され、網走線、名寄線、宗谷線などでも使用されました。ただし、この機関車は1927年にすべてが廃車され、解体されたという歴史があります。

主要諸元

8150形の主要な仕様は以下の通りです：

• - 全長: 14,935mm
• - 全高: 3,658mm
• - 全幅: 2,438mm
• - 軌間: 1,067mm
• - 車軸配置: 2-6-0(1C)
• - 動輪直径: 1,219mm
• - 弁装置: スチーブンソン式アメリカ型
• - シリンダー（直径×行程）: 457mm×559mm
• - ボイラー圧力: 9.8kg/m²
• - 火格子面積: 1.67m²
• - 全伝熱面積: 115.8m²
• - 煙管蒸発伝熱面積: 103.5m²
• - 火室蒸発伝熱面積: 12.3m²
• - 水タンク容量: 4.0m³
• - 機関車運転整備重量: 39.42t
• - 燃料積載量: 3.05t

最後に

8150形は、そのデザインや性能によって日本の鉄道史に深く刻まれた蒸気機関車です。今なお多くの鉄道ファンや歴史愛好者にとって、その存在は記憶に新しく、当時の鉄道技術の進化を象徴するモデルとして評価されています。

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