国鉄8200形蒸気機関車 (初代)

8200形蒸気機関車の概要

8200形は、かつて日本国有鉄道の母体であった鉄道院、鉄道省に属していたテンダ式蒸気機関車です。この機関車は、九州鉄道によって1896年にアメリカのボールドウィン・ロコモティブ・ワークス社で製造され、初めて導入されたアメリカ製の機関車でもあります。もともと4両（製造番号14745 - 14748）が九州鉄道向けに作られ、同社では46形（46 - 49）と呼ばれていました。

設計と特徴

8200形の設計は、アメリカの技術が色濃く反映されており、メーカーでは種別呼称が8-26Dとされていました。車軸配置は2-6-0（1C）の単式2気筒で、飽和式テンダ機関車としての特性を持っています。この機関車は、1892年に筑豊鉄道が導入した同じ車軸配置のテンダ機関車（後の鉄道院8000形）と非常に似通っています。また、日本においては同クラスの機関車として旧北海道官設鉄道の7400形、7500形、旧山陽鉄道の8350形、旧中国鉄道の8380形、8360形が存在しました。特に、炭水車は片ボギー式の3軸構造を採用しています。

運行と歴史

九州鉄道時代の運用状況については詳細が不明ですが、国有化が進んだ後は行橋や柳ヶ浦に配置されました。1909年には鉄道院の車両形式称号規程に基づき、8200形（8200 - 8203）として再番号付けされました。残念ながらこの機関車の廃車は1923年1月に行われ、すべて民間への払い下げとなり、保存されたものは存在しません。

幻の機関車

8200形は長い間、その姿を見せない「幻の機関車」とされていましたが、1975年になってその写真が発見されました。この発見は、歴史的価値を持つ機関車についての関心を新たに呼び起こしました。

主要諸元

8200形の構造的な特徴について簡単に紹介します。全長は14,300mm、全高は3,569mmで、軌間は1,067mmです。動輪の直径は1,270mmで、ボイラー圧力は10.5kg/cm²、火格子面積は1.55m²となっています。また、シリンダーの直径は406mm、行程は559mmです。機関車の運転状態の重量は38.72トン、空車時は34.74トンとされています。炭水車の運転整備重量は23.10トン、空車時は11.22トンです。

このように8200形は、当時の技術とデザインが結集された魅力的な蒸気機関車であり、日本の鉄道史における重要な一ページを彩っているのです。

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