国鉄C11形蒸気機関車227号機

C11 227は、大井川鐵道が保有し、動態保存されている蒸気機関車の一つです。この機関車は、日本国有鉄道（国鉄）の前身である鉄道省が製造したC11形蒸気機関車のうちの一両です。1975年に運用を終了しましたが、翌年の1976年から大井川鐵道において動態保存が始まりました。C11 227は、日本における国鉄製蒸気機関車の中では始めて、定期的な営業運転が行われる機関車となったのです。2021年時点でも運行が続いており、当時の魅力を今に伝えています。

経歴

C11 227は、1942年9月9日に日本車輌製造本店工場で製造され、最初の配置先は苗穂機関区でした。その後、札沼線を主な運行ルートとしていました。1969年には追分機関区苫小牧支区に転属し、さらに1974年からは釧路機関区に配属されて標津線で運用されていました。しかし、1975年に標津線が無煙化されたことによりC11 227は廃車となってしまいます。

その後、大井川鐵道が1980年代から始めた動態保存運行の取り組みにより、C11 227が再び息を吹き返すことになります。大井川鉄道はこの機関車を日本唯一の本線用蒸気機関車として復活させる計画を進め、1975年11月に同社に輸送されました。設計が認可されると、1976年に試運転が実施され、7月からは「かわね路号」として営業を開始しました。この運行は日本で初めての復活SLとして歴史に名を刻んでいます。現在では、C11 227はボイラーや汽笛を他の機関車から交換し、特に汽笛は元のC11 312のものに変わり、その音色は新たな魅力を加えています。

主要諸元

• - 全長: 12.650 m
• - 全高: 3.940 m
• - 全幅: 2.936 m
• - 重量: 65.85 t
• - 空重量: 51.69 t

イベント時の改装

C11 227は、その運行中に様々なイベントで特別な改装が施されました。

• - SLマン: 1998年と1999年の夏休みシーズンには、アニメ『それいけ!アンパンマン』のキャラクター「SLマン」を模した外観で運行されました。装飾されていたフィギュアは、イベント終了後に新金谷駅に保存されました。

• - SLくん: 2005年の大井川鉄道の創立80周年を記念し、マスコットキャラクター「SLくん」をテーマにした改装が行われました。明るい青色に塗装された車体は、イベント用のヘッドマークが特徴的でした。

• - きかんしゃトーマス号: 2014年には、人気アニメ『きかんしゃトーマス』とのコラボレーションとして、トーマスを模した改装が施されました。専用客車も製作され、イベントは盛況を博しました。

C11 227は、その魅力的な歴史と独自の改装によって多くのファンを魅了し続けています。現在も運行を続け、訪れる人々に蒸気機関車の魅力を伝えています。大井川鐵道での乗車体験は、かつての鉄道文化を感じる貴重な機会となっています。

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