大井川鐵道

大井川鐵道株式会社

概要

大井川鐵道株式会社は、静岡県島田市に本社を置き、大井川流域を基盤に鉄道事業や観光業を展開しています。現在、同社は大井川本線と井川線の2つの鉄道路線を運営しており、略称は「大鉄」として知られています。

大井川本線は日本で初めて蒸気機関車（SL）の動態保存を始め、現在でもほぼ毎日SLが運行されています。一方、井川線は「南アルプスあぷとライン」として知られ、唯一のアプト式ラック鉄道です。大井川鐵道は、1977年にスイスのブリエンツ・ロートホルン鉄道と姉妹鉄道提携を結びました。

経営状況

近年、沿線人口の減少に伴い、大井川鐵道の鉄道事業収入は観光客からの収益に依存している状況です。特に東日本大震災後は、団体旅行客が減少し、収入は厳しい逆境に直面しています。そのため、経営合理化の一環として、2014年にダイヤ改正を行いました。これにより、従来の14往復の電車を8往復に削減しましたが、SLの運行は維持する方針です。

2015年には地域経済活性化支援機構の支援下で経営再建計画が進み、エクリプス日高の下で再建を図っています。2020年には観光利用を重視した施策として、フライトツアーを開始するなどの新たな取り組みも行われています。

沿革

大井川鐵道は1925年に設立され、1927年に金谷駅と横岡駅間で営業を開始しました。その後、1931年に大井川本線が全線開通。戦後はバス事業や、様々な鉄道の提携が進み、現在に至るまで地域の交通機関として重要な役割を果たしています。

鉄道路線

大井川鐵道は以下の2路線を運営しています。

• - 大井川本線：金谷駅から千頭駅までの39.5 km
• - 井川線：千頭駅から井川駅までの25.5 km

これらの路線は軌間が共通で接続していますが、直通運転は行われていません。乗車券は基本的に硬券で販売され、特定のJR線との連絡乗車券も取り扱っています。

車両

大井川鐵道の主な車両構成としては、電車、客車、蒸気機関車が運用されています。SL列車ではC11形やC12形などの蒸気機関車が使用されており、観光列車としての趣を醸し出しています。また、井川線においては自社で導入した車両が運行されています。

観光イベント

特に観光面では、2011年以来「きかんしゃトーマス」をテーマにしたSLの運行を行っており、多くのファンを魅了しています。また、川根温泉とのコラボレーションによる宿泊プランや特別なツアーも提供しています。

地域との連携

大井川鐵道は地域との連携にも力を入れており、島田市と川根本町などの自治体と協力して経営支援や地域振興の取り組みを行っています。これにより観光客の誘致や地域の活性化を目指しています。

大井川鐵道は地域の宝として、歴史ある鉄道の運営とともに新たな観光地の開発にも努めており、多くの人々に愛され続ける存在となっています。

もう一度検索