国鉄C21形コンテナ

国鉄C21形コンテナの概要

国鉄C21形コンテナは、日本国有鉄道（国鉄）が1974年から1976年の間に製造した12フィート長で5トン積みの有蓋コンテナです。このコンテナは、鉄道輸送の効率向上を目的に設計され、その製造数は約14,000個に達しました。

開発の背景

1970年に試作された5トン積みのコンテナであるC94形では、上下隅にツイストロック式の金具が設置されていました。しかし、量産形式のC20形ではこの金具の採用を見送られました。その後、自動荷役の計画が進行したため、1974年に改良型のC21形が登場しました。この新しい形式では、上部四隅にツイストロック式の吊り金具が設置され、構造も強化されました。これにより、クレーンによる自動荷役が可能になる予定でしたが、実際には荷役設備が対応できず、運用はC20形と同じように行われることとなりました。

生産と運用の実績

C21形コンテナは、富士重工業および東急車輛製造によって生産され、1977年からは再び吊り金具の無いC20形の製造が開始されました。C21を基にした改良版も存在しており、内部に保冷パネルを搭載したC95形が開発されました。さらに1983年には、荷役の効率化のため片側面に扉を設けた「二方開き」のC30形に改造された例もありました。これらの改造によって、物流の現場での機能性が向上しています。

1987年の国鉄分割民営化時には、12,801個のC21形コンテナが日本貨物鉄道（JR貨物）に引き継がれ、その後も継続して使用されました。運用が進む中で、数百個は簡易通風仕様の50000番台に改造され、さらには側面の一部を取り外して無蓋化されたものも存在します。

構造と特徴

C21形コンテナの構造は、C20形をベースにしたもので、クレーン自動荷役に適した改良が施されています。上部四隅にはツイストロック式の吊り金具があり、鴨居などの部分も強化されています。さらに、片側妻扉のみの一方開きのデザインを採用しており、外法寸法は高さ2,350 mm、幅2,438 mm、長さ3,658 mm、自重は1.3トンです。内容積は17.0 m³で、十分な積載量を提供しています。

塗装については、当時の標準色として黄緑6号「コンテナグリーン」を基盤に使用し、区別のため側面に青色（青22号）の帯が施されています。また、屋根上の対角にコンテナ番号の下3桁が表示されており、視認性も考慮されています。

終焉と後の影響

C21形コンテナは、次第に新型の18D形や19D形コンテナの登場により、他形式への改造や廃棄が進められました。その結果、2006年度に全てが廃止され、国鉄時代の貨物運搬手段の一部は歴史の中に埋もれることとなりました。

このコンテナの歴史は、日本の鉄道貨物輸送の発展にとって重要な側面を担っており、現代の物流体系にも影響を与えています。

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