国鉄DD15形ディーゼル機関車

DD15形ディーゼル機関車の紹介

DD15形ディーゼル機関車は、日本国有鉄道（国鉄）が1962年から1966年にかけて製造した液体式除雪用機関車です。この機関車は、入換用のDD13形機関車をベースに開発され、専用のラッセル装置を備えているため、効率的に除雪作業を行うことができます。全体で50両が製造され、DD15形は1号から46号、301号から304号までの番号が付けられています。

設計と構造

この機関車は、前後に配置された大型のプラウ形ラッセル装置を装備した構造を持っており、単独で除雪作業を行うことが可能です。従来の雪かき車両とは異なり、特別な車両や折り返し地点での方向転換作業を必要としないため、運用上の利便性が大幅に向上しました。ラッセル装置は必要に応じて脱着可能であり、その際には専用の車両としても運用できるのが特徴です。

DD15形の設計においては、機関車本体がセンターキャブ方式を採用しており、中央に運転台が配置されています。この配置によって、前後のボンネットには機器が収納されており、外観は入換機のDD13形と似ています。ただし、DD15形独自の特性として、運転台の補助前照灯や雪切り用の窓、ラッセル装置の緊締用ブラケットが備えられています。

駆動機関と動作機構

駆動機関には、直列6気筒のDMF31SB形ディーゼルエンジンが2基搭載されており、出力は500馬力に達します。また、振興造機製の液体変速機と、DT113形の台車もDD13形の7次車と同様の設計です。初期型では、雪を削り取るための装置が空気シリンダーによって動作されていましたが、後のモデルでは油圧によって動作するように改良されています。これにより、除雪作業の効率がさらに向上しました。

現況

DD15形は、現在でも除雪専用機として活躍していますが、近年ではその老朽化が進み、JR東日本では2010年までに全機が廃車となりました。一方、JR西日本では置き換えが進み、2013年には一部の車両が在籍していたものの、その後徐々に廃車されました。最終的に、2017年には最後の車両も廃車され、現在ではすべてのDD15形が存在していません。

保存機および関連項目

DD15形はその特異な性能から、多くの鉄道ファンやコレクターにとって注目される存在でしたが、現存する機体は限られています。今後は保存や展示のための取り組みが期待されています。また、DD15形の技術や設計は、今後の除雪作業用機関車の基盤となる可能性があります。

DD15形ディーゼル機関車は、日本の冬の鉄道運行において重要な役割を果たしてきた存在であり、その設計や性能から多くの教訓が学べることでしょう。

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