国鉄DD21形ディーゼル機関車

DD21形ディーゼル機関車について

DD21形ディーゼル機関車は、日本国有鉄道（国鉄）が1963年に試作した液体式ディーゼル機関車です。この機関車は、除雪作業を効率的に行えるラッセル式除雪装置を搭載しており、雪の多い地域での運用を意識して設計されています。

概要

DD21形は、1963年に試作されたDD20形の1号機を基に、ラッセル式除雪装置が取り付けられた特異な機関車です。1号機は1963年12月に日本車輌製造で製造され、DD20形とは一線を画す機能的な設計がなされています。この機関車は、標準的なディーゼル機関車に除雪装置を追加する形ではなく、ラッセル式除雪装置を別の場所で取り外す必要がなく、常時装着された状態で他の車両と連結可能な点が特徴です。

構造

DD21形は、DD20形に比べて車体の形状が凸型で、運転室は中央からわずかにずれたセミ・センターキャブ方式となっています。メインエンジンにはDD20 1と同じDML61Sエンジンを用いており、出力は1,000psで、1,500rpmで運転されます。台車は空気ばね式のDT130を採用し、滑らかな走行を実現しています。

ラッセル式除雪装置は複線形を採用しており、通常の進行方向の左側に雪を排雪する構造ですが、補助翼を使用することで進行方向の右側にも排雪可能です。この設計は、除雪作業中の柔軟な運用を可能にしており、また、入換作業時には補助翼を運転台側に折り返すこともできます。

運用

DD21形は、東新潟機関区に配置され試運転が行われましたが、軸重が14tと重いため、一部のローカル線には入線できないという制約がありました。さらに、除雪装置を装着したままでの入換作業が不便であったこと、運転室からの視界確保に問題があったこともあり、量産は実現しませんでした。このため、DD21形は試作車1両にとどまりました。その後、新潟地区で除雪業務に従事しましたが、1992年頃には新津車両所に残存していたものの、車両新造施設の建設による解体が進められ、1986年には廃車されました。

このように、DD21形は日本の鉄道における特殊な存在であり、除雪作業に特化したこの機関車の開発は、鉄道の冬季運行の安全性向上に寄与したといえます。

関連項目

• - 国鉄DD20形ディーゼル機関車
• - 国鉄DD53形ディーゼル機関車

もう一度検索