国鉄DD93形ディーゼル機関車

DD93形ディーゼル機関車の概要

DD93形ディーゼル機関車は、かつて日本国有鉄道（国鉄）が実験的に使用していた液体式ディーゼル機関車です。この機関車は、国鉄での試用を経て、名古屋臨海鉄道に転籍され、ND551形として活躍しました。

製造の背景

国鉄がディーゼル機関車の開発を進めていた時期、日本国内の車両メーカーも国鉄と海外市場への販売を見越して独自のディーゼル機関車を設計し、試作を行っていました。これらの機関車の中から、合計9形式が国鉄に貸与され、試験が実施されました。その中の一つがDD93形であり、1960年（昭和35年）に日本車輌製造本店で製造されました。特に、入換作業を目的として設計された機械であり、国鉄はその性能を確認するために利用したのです。

構造

DD93形は、三菱日本重工横浜造船所が西ドイツのMAN社と技術提携を結び、製造した1,100馬力のディーゼルエンジンを搭載しています。動力伝達方式には液体式を採用し、液体変速機は富士電機フォイト社製を使っています。外観はDD13形の初期モデルに似ていますが、側面から見た際には運転室が中央から多少ずれています。これは片側に機関、もう片側に冷却装置が配置されているためです。

主要諸元

• - 全長: 12,600 mm
• - 全幅: 2,846 mm
• - 全高: 3,900 mm
• - 運転整備重量: 53.0 t
• - 機関: 三菱日本重工横浜造船所製L12V 18/21形ディーゼル機関1基
• - 液体変速機: 富士電機フォイトLT306r
• - 軸配置: B-B
• - 出力: 1,100 ps/1,500 rpm
• - 最大牽引力: 15,900 kg
• - 動力伝達方式: 液体式
• - 最大運転速度: 70 km/h

国鉄での運用

DD93形は、製造当初は「DD1000HV」という型式名が記されたナンバープレートを持っており、後に国鉄が借用した際に名古屋機関区に配属されました。主な運用先は名古屋駅と笹島駅の間での入換作業でした。しかし、1965年（昭和40年）3月には日本車輌製造に返却されることとなりました。

名古屋臨海鉄道での運用

1965年（昭和40年）8月に名古屋臨海鉄道が開業され、それに伴いDD93形はND551形に改称されました。この機関車は、貨物列車の牽引や入換作業に使用されました。名古屋臨海鉄道ではエンジンをDD51形で使われているDML61S形に換装し、さらなる運用を行いました。

形式名のND551は、名古屋（Nagoya）、動軸の数（D）、自重（55トン）、エンジンの数（1）を表しています。また、同時期に導入されたND552形はエンジンを2基搭載していました。

このDD93形は、その後1972年（昭和47年）6月に廃車となりましたが、日本の鉄道史における重要な一片として記録されています。

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