国鉄DF90形ディーゼル機関車

DF90形電気式ディーゼル機関車

DF90形は、日本国有鉄道（国鉄）で試用された電気式ディーゼル機関車です。この機関車は、国鉄がディーゼル機関車の開発を進める中で、国内の車両メーカーが新たに設計・試作した車両の一つで、最終的には国鉄に採用されました。

概要

DF90形は、1956年に日立製作所によって製造されました。最初に国鉄がその機関車を借り入れたのは、1957年6月のことで、常磐線における旅客列車の運行に使用されました。この形式は、1961年には国鉄が正式に購入するに至ります。これにより、DF90形は国鉄の運用の一部として定着しました。

構造

DF90形のエンジンは、西ドイツのMAN社製であり、水冷V型16気筒のディーゼルエンジンを搭載しており、出力は1,680PSを誇ります。エンジンは車体の中央部に配置され、冷却用のラジエーターが前後にそれぞれ1組設けられています。また、動力伝達方式は電気式を採用し、主発電機は1,100kWの出力を持ち、各車軸には主電動機が装備されています。

さらに、DF90形はC-Cの軸配置を持つ3軸のボギー台車を2組搭載し、動輪の直径は1,000mmです。客車への暖房装置は搭載されておらず、冬季には暖房車が連結される運用が行われていました。

UR形のデザインに関しては、国鉄のEF58形と似た意匠を持ちつつも、短い車体と幅を考慮した設計が施されており、塗色は当初、赤を基調にしたクリーム色でしたが、後に茶色1色に統一されました。この変更によりDF90形は国鉄標準色に近づきました。

運用

DF90形は、1957年6月に水戸機関区へと配属され、以後1964年8月まで常磐線で旅客列車の運行に使用されました。しかし、秋田機関区への転属後は、軸重が大きすぎるため、現地での運用に難点がありました。保守面でもデメリットがあったため、入換作業の時にわずかに使われただけで、1966年頃には運用を終了しました。

最終的には、DF90形は1971年2月10日に廃車され、しばらくの間東能代機関区に留置された後、解体処分されました。これにより、この機関車の歴史は幕を閉じました。

主要諸元

全長: 16,330 mm
全幅: 2,945 mm
全高: 4,000 mm
運転整備重量: 94.5 t
軸配置: C-C
機関: MAN V8V22/30 A.m.A.形ディーゼル機関1基
出力: 1,680PS/ 900rpm
動力伝達方式: 電気式
最大運転速度: 100km/h
ブレーキ装置: EL14AS自動空気ブレーキ、手ブレーキ

DF90形は、国鉄におけるディーゼル機関車の発展の一環として、重要な役割を果たしました。また、後の機関車設計にも影響を与える存在となり、国内外における鉄道の技術発展の礎となったと言えるでしょう。

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