国鉄DT21形台車

国鉄DT21形台車の概要

国鉄DT21形台車は、日本国有鉄道（国鉄）が1957年に設計した鉄道車両用の台車の一つです。この台車は新性能電車に特化して開発され、以降の多くの電車で採用されることとなります。その設計は、特に速度性能を重視したものであり、軽量化を図りつつも、安定した走行性能を保つ工夫がなされています。

設計と構造

DT21形は、吊り掛け駆動方式の現行DT20が持つ支え方とは異なります。ペデスタルという特異な設計が用いられ、左右に配置された翼状の座が荷重を受け止めています。ボルスター部はコイルばねとオイルダンパーを組み合わせた構造で、振動を抑える効果があります。さらに、将来的な改良を考慮し空気ばねへの変更が可能な設計も見越しています。

台車の骨組みは軽量の鋼板プレスで構成されており、主電動機が軽量なMT46Aを搭載できるように設計されています。これにより、必要な強度を保つ一方で、全体の軽量化を図っています。特に工夫されたのは、軸距と車輪径の縮小であり、これにより可動部分が減少し、メンテナンスの容易さが実現されています。

ブレーキ装置と運用性能

基礎ブレーキ装置には、台車シリンダー方式が導入されており、各車輪を効果的に制動することができます。ブレーキ方式は両抱き式の踏面ブレーキが採用され、各部の信頼性が高められています。DT21は基本的には最高速度100km/hでの運用を前提として設計されていますが、改造を実施することでこの速度を115km/hまで引き上げることも可能です。

特徴と課題

DT21形の特徴として、高速走行時における蛇行動の問題が挙げられます。ペデスタルの構造上、多くの関節や摺動部品を使用しているため、これらの管理が必要となり、左右動に対するダンピング能力は制限されます。このため、最高速を越えた運用には特別な対応が求められ、乗り心地が悪化することもあったことが問題点として挙げられます。

派生形式と採用車両

DT21形は設計の初期段階から多くの派生形式を持つことを前提としていました。1958年から1960年代にかけて国鉄の様々な電車や気動車用に多様なバリエーションが開発されました。その中には、新性能電車や急行形電車用として使用されたモデルも多く、この台車は日本の鉄道史において重要な存在として位置付けられています。

また、システムは西武鉄道やその他の私鉄にも広く採用され、国内外の鉄道の中で大きな影響を与えました。DT21形は、日本国内における鉄道車両用台車の設計理念に大きな影響を与え、多くの後継モデルへと受け継がれていくこととなります。

結論

国鉄DT21形台車は、設計の自由度やバリエーションを考慮して作られており、日本の鉄道の発展に寄与した機構として高く評価されています。その圧倒的な数の派生形は、長期間にわたる性能と信頼性の証明とも言えるでしょう。

もう一度検索