国鉄ED18形電気機関車

国鉄ED18形電気機関車

国鉄ED18形電気機関車は、日本国有鉄道（国鉄）およびその前身である鉄道省が、旅客用電気機関車などの改造によって製作した直流用電気機関車です。その出自から、以下に示す二つの異なる形態が存在します。

ED18形（初代）
ED18形（2代）

本稿では、これらをそれぞれ「初代」「2代」と呼称し、双方について解説します。

ED18形（初代）

1931年（昭和6年）から1935年（昭和10年）にかけて、鉄道省はED52形電気機関車4両を改造し、ED18形としました。これは、中央本線（新宿 - 甲府間）の勾配区間で使用するため、歯車比を増大させる改造を施したものです。改造されたのはED52形の3号機から6号機で、改造後も元の車番を踏襲し、ED18 3 - 6となりました。

この改造により、ED50形とED52形は基本的に同形・同性能となりました。ただし、内部機器の配置が異なるため、ED17形と本形式に分けられました。なお、1号機と2号機は将来の改造に備えて欠番とされましたが、実際にはED18形にはならず、1943年（昭和18年）にED17形(22, 23)に改番されました。

太平洋戦争後の1950年（昭和25年）には、ED18 4 - 6の3両が電気機器を国産品に交換する改造を受け、ED17形（19 - 21）に編入されました。残ったED18 3は、1953年（昭和28年）に2代目ED18形に改造されました。

ED18形（2代）

2代目ED18形は、線路規格の低い飯田線（飯田 - 辰野間）で使用するために、軸重軽減改造を施した機関車です。改造は浜松工場で行われ、ED18形（初代）の3号機と、ED17形（旧ED50形）の2両が種車となりました。

具体的には、DD10形電気式ディーゼル機関車が使用していた台車の設計を基本として、動軸間に走軸を1軸追加した新設計の台車（HT62形）に交換するという大規模なものでした。軸配置はA1Aとなりました。

1953年にED18 3が改造され、形式番号はそのままに運用を開始しました。翌1954年にはED17 17がED18 1に、1955年にはED17 16がED18 2に改造され、飯田線でED19形とともに貨物列車の牽引に活躍しました。この3両は中部天竜機関支区に配置されました。

1975年に3号機が、1976年には1号機と2号機が貨物運用から撤退しました。1号機と3号機は廃車されましたが、2号機は浜松工場の入換機に転用され、ED11 2を置き換えました。2号機の車籍は1979年（昭和54年）に抹消され、一旦は形式消滅となりました。

その後、ED62 14が入換機に転用された後、2号機は同工場で静態保存されていましたが、1991年（平成3年）に佐久間レールパークに移されました。1992年（平成4年）には、EF58形とともにトロッコファミリー号の牽引機に抜擢され、走行可能な状態に整備され営業復帰を果たしましたが、2005年（平成17年）に故障により再び引退し、浜松工場に戻りました。2009年（平成21年）3月31日付で除籍され、2011年（平成23年）3月からは、リニア・鉄道館で展示されています。

種車について

両形式とも、1925年（大正14年）の東海道本線東京 - 国府津間の電化に際して、イギリスのイングリッシュ・エレクトリック社（English Electric & Co.,/英国電気）で製造・輸入されたものを種車としています。ED17形やEF50形と同じく「デッカー」の一党です。

関連項目

国鉄ED17形電気機関車
国鉄EF50形電気機関車
日本の電気機関車一覧

外部リンク

JR東海車両図鑑 ED18（JR東海公式）

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