国鉄EF66形電気機関車

EF66形電気機関車の概要

EF66形電気機関車は、1968年から1974年にかけて日本国有鉄道（国鉄）によって製造された直流電気機関車です。後に、日本貨物鉄道（JR貨物）によって1989年から1991年にかけても生産されました。この機関車は日本の貨物輸送において重要な役割を果たしてきました。特に、国鉄が新たな輸送手段として高速化を図る中で、その需要に応えるために設計された機関車です。

背景と開発の経緯

この機関車の開発背景には、名神・東名高速道路の整備が進み、トラック輸送のシェアが拡大していたことが挙げられます。国鉄は特に生鮮品の輸送における所要時間の短縮が求められ、貨物列車の高速化に向けた計画が進められました。EF66形は、最高速度100km/hで走行可能なコキ10000系コンテナ車やレサ10000系冷蔵車と連携し、東海道線・山陽線系統の高速貨物列車専用の機関車として開発されました。その実際の運用性能は、110km/hで最大1,300トンのコンテナ貨車を牽引できるもので、全長26両の編成も可能でした。

EF66の開発は、当初8軸の動軸数で計画されていましたが、動力性能の向上を見越して6軸での設計に変更されました。1966年にはEF90形の試作機が完成し、実際の運用が始まった後、1968年から量産が開始されたのです。

機関車の特徴と構造

EF66形は、高運転台式の非貫通型車体を持ち、独自のデザインが特徴です。運転台は従来機より高い位置にあり、前面形状は特急形電車に似た構造をしています。車体の主要色は濃青色で、クリーム色のラインが施されています。

主電動機は三菱電機が提供し、MT56型を6基搭載しています。この主電動機は高出力で、荷物の牽引に適した設計になっています。また、制御方式は従来の抵抗制御を採用しており、細かな速度の調整が可能です。

台車や動力機構も独特で、従来の吊り掛け式ではなく、新たに開発されたQD10中空軸可撓吊り掛け式駆動装置を使用し、総重量の軽減を図っています。さらに、ブレーキ装置には高い性能を求め、電磁ブレーキ指令装置が装備されています。

受賞歴と運用

EF66形は、国鉄時代から多くの貨物列車を牽引し続け、1996年には第12回鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞しました。この受賞により、国鉄と私鉄を通じてEF66形だけが獲得した栄誉となっています。特に1986年からは寝台特急も牽引するようになり、その活躍の幅は広がりました。

JR貨物に移行した後も、EF66形は引き続き重要な貨物列車の牽引機として活躍しており、痛みや老朽化が進む中でも更新工事などを経て、今なお運用されています。最近では、EF210形との置き換えが進んでいるものの、EF66形に対する馴染みの深い存在感は少なくありません。

現在の状況

2020年には初めての廃車が発生し、数両の運用機も廃止されましたが、いくつかの車両は博物館での保存展示に転用されたり、愛称を付けられたりする姿が見られます。特に、EF66 27号機はファンから「ニーナ」の愛称で親しまれていました。現状では少数の車両が稼働しており、将来的にはさらなる更新改善が求められています。

結論

EF66形電気機関車は、日本の鉄道史において重要な位置を占める機関車であり、数十年の運用の中で多くの改良や変化を経てきました。その高速貨物輸送の要として、多くの鉄道ファンや利用者からの支持を受けてきました。今後もその存在が続く限り、多くの人々に愛され続けることでしょう。

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