国鉄T51形コンテナ

国鉄T51形コンテナ

国鉄T51形コンテナは、日本国有鉄道（国鉄）が1968年度に製造した鉄道用のタンクコンテナです。このコンテナは、特に鉱物油の輸送を目的として設計されており、規格は11フィートに統一されています。

製造の背景

T51形コンテナは、1967年度に最初のグループとして4両が製造されたのが始まりです。この製作は、東急車輛製造によるもので、主に非クレーン取り扱いのタンクコンテナとして設計されました。最初のグループがオルソジクロルベンゼンを専用種別としていたのに対し、1970年度には第2グループとして5両が追加製造され、こちらはクロロホルム専用となっています。これらの異なる専用種別が同じ形式にまとめられた背景には、当時の形式数を増やさないという国鉄の方針がありました。

コンテナの仕様

T51形コンテナは、楕円形のタンクボディを持ち、厚さ3 mmのステンレス鋼で作られています。外観は無塗装で、シンプルなデザインが特徴です。具体的な寸法は、全長3,240 mm、全幅2,300 mm、全高1,900 mmで、積載荷重は5トン、自重は1.3トンとなっています。また、容積は第一グループが3.7 m³、第二グループが3.39 m³と異なります。このように、仕様の中でも特にタンクの構造や材料に拘っていたことが伺えます。

利用と廃止

T51形コンテナは、1985年度に最後まで使用されていた2両が廃止され、形式が消滅しました。これにより、当時の貨物輸送における重要な役割の一端が終了したことになります。また、このコンテナはその特異な形状と用途から、鉄道貨物の歴史においても一つの象徴的存在として記憶されています。

参考文献

さらなる詳細を知りたい場合は、次の文献を参考にしてください:

• - 貨車技術発達史編纂委員会『日本の貨車 技術発達史 明治5（1872）年〜平成16（2004）年』
• - 吉岡心平『国鉄コンテナのすべて』 下

関連項目

• - JR貨物のコンテナ形式

国鉄T51形コンテナは、日本の鉄道貨物運送の発展を支えた一翼を担っていた存在であり、その特性から多くの技術的な革新や方針の変化を反映した形となっています。

もう一度検索