国鉄T60形コンテナ

国鉄T60形コンテナの概要

国鉄T60形コンテナは、1967年に日本国有鉄道（国鉄）によって開発された鉄道輸送用のタンクコンテナです。このコンテナは、特に鉱物油を輸送するために設計されており、非クレーン取り扱い方式が採用されています。製造は東急車輛製造によって行われ、初年度には1個が作られ、その後1968年には7個、1970年にはさらに2個が追加で製造されました。

コンテナの仕様と材質

T60形コンテナは、独特の楕円円筒形のタンク体を持ち、外側は厚さ3mmのステンレス鋼で造られています。内側には60mmのグラスウール断熱材が施され、その上に外板（キセ）が取り付けられています。この設計により、タンク内部の温度を効率的に保つことが可能です。

タンクの構造は、法規制に基づき前後に2室に分かれています。各室は蒸気加熱管を備えており、輸送中の温度管理も手厚く行われています。具体的な寸法は、全長が3,240mm、全幅が2,300mm、全高が1,930mmで、最大荷重は5トン、自重は1.8トン、容積は4.5m³とされています。

使用履歴と廃止

1987年、T60形コンテナの最後の2個が使用を終え、その結果形式が消滅しました。しかし、日本貨物鉄道（JR貨物）によって一時的に再使用され、塗装が青色に変更されたものの、その運用は短期間に留まりました。このコンテナの歴史は、国鉄の貨物輸送の変遷を象徴するものであり、当時の技術やデザインを反映しています。

参考文献と関連項目

T60形コンテナに関する技術的な情報や歴史的な見地は、いくつかの文献で詳述されています。具体的には、『日本の貨車 技術発達史 明治5（1872）年〜平成16（2004）年』や、吉岡心平著『国鉄コンテナのすべて』などが挙げられます。

また、国鉄T60形と同様のJR貨物のコンテナ形式についても興味深い知見が得られるでしょう。これらの文献は、国鉄やJR貨物による貨物輸送の発展を理解する上で貴重な参考となります。今後もこのような交通手段の進歩が注目されることでしょう。

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